問40 2013年9月基礎

問40 問題文と解答・解説

問40 問題文

建物を建築するために借地権を設定する際に,その設定の対価として権利金等の一時金を授受する慣行のある地域において,X株式会社(以下,「X社」という)が,X社の社長Aさんから土地を借りてX社名義の建物を建築することになった。この場合の借地権(定期借地権を除く)の税務上の取扱いに関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。

1) X社が,通常の権利金や地代をまったく支払わない使用貸借により,社長Aさんから土地を借りた場合,税務署に対する特別な手続をしなくても,X社および社長Aさんのいずれにも課税関係は生じない。

2) X社が,通常の権利金を支払わず,相当の地代のみを支払って,社長Aさんから土地を借りた場合,X社には借地権の認定課税はない。しかし,社長Aさんには,借地権の設定の対価としての権利金を受け取ったものとするみなし譲渡課税が行われる。

3) X社が,通常の権利金を支払わず,通常の地代のみを支払って,社長Aさんから土地を借りた場合,税務署に「土地の無償返還に関する届出書」を提出すればX社には借地権の認定課税はない。また,社長Aさんには,この届出書の提出の有無を問わず,借地権の設定の対価としての権利金を受け取ったものとするみなし譲渡課税は行われない。

4) X社が,権利金7,000万円を支払って,社長Aさんから時価1億円の土地(借地権割合70%)を借りた場合,X社は支払った7,000万円について借地権として資産計上する必要がある。また,社長Aさんが受け取った権利金7,000万円は,不動産所得として所得税(および復興特別所得税)・住民税の課税対象となる。

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問40 解答・解説

法人と役員間の取引における課税に関する問題です。

1) は、不適切。法人が役員保有の土地を建物の所有を目的として賃借する場合、法人から役員へ権利金や相当の地代の支払がなく、「土地の無償返還に関する届出書」についても提出がないときは、法人側では原則として借地権の受贈益が認定課税(権利金の慣習がある地域の場合は権利金相当額)されます。
また、地主が個人の場合、認定課税はされません(役員側では課税なし)。これは、個人の場合、法人と違って必ずしも経済的利害だけで取引が行われるとは限らないため、無償による資産の譲渡や役務の提供は収入があるとみなさないためです。

2) は、不適切。相当の地代がある場合、原則として法人にも役員にも借地権に関する課税は生じません。「相当の地代」とは更地価額の年6%相当です。

3) は、適切。法人が役員保有の土地を建物の所有を目的として賃借する場合、法人から役員へ権利金や相当の地代の支払がないときでも(通常の地代のみの支払いを含む)、「土地の無償返還に関する届出書」を提出すれば、法人側では借地権の認定課税はありません
また、地主が個人の場合、届出書の提出の有無に関わらず、認定課税はされません(役員側では課税なし)。これは、個人の場合、法人と違って必ずしも経済的利害だけで取引が行われるとは限らないため、無償による資産の譲渡や役務の提供は収入があるとみなさないためです。

4) は、不適切。法人が役員保有の土地を建物の所有を目的として賃借する場合、法人から役員へその土地の時価の2分の1超の権利金が支払われると、法人側では支払った権利金相当額を借地権として資産計上します。
また、役員側では受け取った権利金相当額が譲渡所得として所得税・住民税の課税対象となります(復興特別所得税含む)。
つまり、役員が会社に土地の借地権を売った(譲渡)した、とされるわけですね。

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