問15 2014年1月基礎
問15 問題文
株式会社X社(以下,X社という)の倉庫が火災により全焼した。X社は,契約している火災保険から保険金を受け取り,当該保険金を受け取った事業年度中に倉庫を新築した。以下の〈資料〉を基に,保険金等で取得した固定資産の圧縮記帳をする場合の圧縮限度額として,次のうち最も適切なものはどれか。なお,火災保険の契約者(=保険料負担者)・被保険者・保険金受取人は,いずれもX社とする。
〈資料〉
・焼失した建物(倉庫)の帳簿価額 1,500万円
・倉庫の焼失によりX社が支出した経費
焼跡の整理費(片づけ費用) 200万円
けが人への見舞金 50万円
・火災保険からの受取保険金 3,000万円
・新築した代替建物(倉庫)の取得価額 4,200万円
1) 1,250万円
2) 1,300万円
3) 1,820万円
4) 1,950万円
問15 解答・解説
法人の損害保険金と圧縮記帳に関する問題です。
保険金を受け取って代替資産を取得した場合の圧縮限度額の計算式は以下の通りです。
圧縮限度額=保険差益×代替資産の取得額または差引保険金/差引保険金
注1)「差引保険金」は、差引保険金=保険金−滅失・損壊による経費 で計算します。
注2)「保険差益」は、保険差益=差引保険金−滅失・損壊直前の帳簿価額 で計算します。
注3)「代替資産の取得額または差引保険金」は、いずれか少ない方を計算式で使用します。
まず、差引保険金=保険金3,000万円−片付け費用200万円=2,800万円
次に保険差益=差引保険金2,800万円−帳簿価額1,500万円=1,300万円
さらに、代替資産の取得額4,200万円>差引保険金2,800万円ですので、2,800万円で計算します。
以上により、圧縮限度額=1,300万円×2,800万円/2,800万円=1,300万円 となります。
従って正解は、2)1,300万円
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