問4 2014年9月実技(資産設計)

問4 問題文と解答・解説

問4 問題文

香さんの母である斉藤鈴子さんは、所有している土地(貸駐車場として活用していた)を売却することになり、不動産業者(媒介業者である株式会社HH)から下記<資料1>の不動産売買契約書(案)を受け取った。鈴子さんは、契約内容等について確認したいと思い、香さんとともに、FPの野村さんに相談をした。この不動産売買契約書(案)に関するFPの野村さんの次の(ア)〜(エ)の説明について、正しいものには○、誤っているものには×を解答欄に記入しなさい。なお、鈴子さんと買主は、ともに宅地建物取引業者ではない。また、本問において「消費税」とは、国税である消費税および地方消費税のことをいう。

<資料1>
不動産売買契約書(抜粋)
売主斉藤鈴子(以下「甲」という)と買主筒井二郎(以下「乙」という)は、下記表示の不動産(以下「本物件」という)に関する売買契約(以下「本契約」という)を締結する。

第1条 甲は、本物件を乙に売り渡し、乙はこれを買い受けた。
本物件の表示
 土地
  所在:○○県△△市××一丁目
  地番:1番1
  地目:宅地
  地積:150.69u(登記簿面積)
第2条 売買代金は、金20,000千円也とする。
第3条 乙は手付金として、金1,000千円也を甲に支払う。
 2 手付金は、残金支払いのときに、無利息で売買代金の一部に充当する。
第4条 引渡し日は、平成26年12月1日と定め、当日、所有権移転登記手続きと同時に、乙は手付金を控除した残金を甲に支払い、甲は乙に本物件の引渡しをする。
第5条 −省略−
第6条 甲は、乙に受領済みの手付金の倍額を支払い、また、乙は、手付金を放棄して、それぞれ本契約を解除することができる。但し、相手方がこの契約の履行に着手したとき以降はこ
の解除はできないものとする。
第7条 甲または乙が本契約に定める債務を履行しないときは、他の一方は、相当の期間を定めて催促したうえ、本契約を解除することができる。
 2 前項により本契約が解除された場合、契約解除に伴う違約金は、売買代金の30%に相当する金額とする。
 3 違約金の支払いは、次のとおり遅滞なく行う。
  (1)甲の債務不履行により乙が解除したときは、甲は、受領済みの金員に違約金を付加して乙に支払う。
  (2)乙の債務不履行により甲が解除したときは、甲は、受領済みの金員から違約金の額を控除した残額を無利息で乙に返還する。この場合において、乙は、違約金の額が支払い済みの金員の額を上回るときは、甲にその差額を支払うものとする。
第8条〜第23条 −省略−
第24条特約条項については以下のとおりとする。
本物件は、甲の費用負担で駐車場のコンクリートの撤去、塀の解体撤去を引渡しまでに行うものとする。
本契約締結の証として本書2通を作成し、甲・乙両者記名捺印のうえ、各1通を保有する。

平成 年 月 日
<甲>

<乙>

この契約書は、宅地建物取引業法第37条に定められている書面を兼ねている。

<媒介業者>
(免許証番号)○○県知事免許(4)第○○○○○号
(所在地)  ○○市○○区○○町○○丁目○○番
(商号)   株式会社HH
(代表者)  代表取締役○○ ○○
(電話)   ×××−×××−××××
(FAX)  ×××−×××−××××

<取引主任者>
(登録番号)(○○)第○○○○○○○号
(氏名) ○○ ○○
※媒介業者である宅地建物取引業者は消費税の課税事業者である。

<資料2>契約金額等と印紙税額早見表(平成26年4月1日〜平成30年3月31日)
●500万円超1,000万円以下 :本則10,000円、軽減税率適用5,000円
●1,000万円超5,000万円以下:本則20,000円、軽減税率適用10,000円

(ア)「平成26年10月15日に不動産売買契約を締結する場合、この契約書に貼る収入印紙の額は10,000円となります。」

(イ)「不動産売買契約締結後、買主が契約の履行に着手するまでは、売主である鈴子さんは手付金100万円を返金して契約の解除をすることができます。」

(ウ)「この不動産売買契約は宅地建物取引業者による媒介によるものであるため、鈴子さんは、売買が成立した際には712,800円(消費税込み)を上限とした媒介手数料を支払う必要があります。」

(エ)「この不動産売買契約に基づき鈴子さんの負担で行う駐車場のコンクリートの撤去および塀の解体撤去にかかる費用は、譲渡所得の金額の計算に当たり、譲渡費用とすることはできません。」

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問4 解答・解説

不動産の売買契約に関する問題です。

(ア)は、○。不動産譲渡契約書等に係る印紙税の軽減措置により、平成26年4月1日〜平成30年3月31日までに作成された、不動産譲渡契約書(契約金額10万円超)や建築工事請負契約書(契約金額100万円超)は、印紙税が所定の金額に軽減されます。
本問の場合、契約日が平成26年10月15日で契約金額2,000万円ですから、軽減税率適用により、印紙税は10,000円です。

(イ)は、×。解約手付が交付されると、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は交付した手付金の放棄、売主は手付金の倍額償還により、契約の解除が可能です。
よって、売主である鈴子さんが契約解除するには、手付金100万円の倍額である200万円の支払いが必要です。

(ウ)は、○。宅地建物取引業法により、宅地建物取引業者が受け取ることのできる売買時の報酬(仲介手数料)には、取引額に応じて段階的に上限が定められています。
<取引額と媒介手数料率>
200万円以下の部分:5.4%
200万円超400万円以下の部分:4.32%
400万円超の部分:3.24%
※上記取引額には建物の消費税を含まない。

よって、売買代金2,000万円の場合、媒介手数料は以下の通り。
200万円以下部分:200万円×5.4%=10.8万円
200万円超400万円以下部分:200万円×4.32%=8.64万円
400万円超部分:(2,000万円−400万円)×3.24%=51.84万円
⇒媒介手数料上限=10.8万円+8.64万円+51.84万円=71.28万円(消費税込)

(エ)は、×。譲渡所得の計算上、譲渡費用となるのは仲介手数料や建物の取壊し費用ですが、駐車場のコンクリートや塀も含め、建物等の取壊しや更地にするための費用は、土地譲渡のために必要なであることが明らかな場合は、譲渡費用となります。
本問の場合、不動産売買契約書において、売主の費用負担で解体・撤去を行う旨が特約として明記されているため、譲渡費用とすることができます。

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