問8 2014年9月基礎
問8 問題文
金融機関からの資金調達に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
1) インパクトローンは,企業等が為替リスクを回避する等のために,米ドル,スイスフラン等の外貨によって資金を調達する方法であり,その資金使途は限定されていない。
2) 信用保証協会保証付融資(マル保融資)は,中小企業者であれば,ほとんどの業種が対象となるが,農林漁業,宗教法人,非営利団体等,一部の業種は対象外となっている。
3) ABL(動産・債権担保融資)は,企業の保有する売掛債権や在庫・機械設備等の動産を担保として資金調達する方法であり,担保の対象となる動産は,米や冷凍水産物等の食料品,肥育牛や肉豚等の家畜など,多岐にわたる。
4) 手形貸付は,借入れについての内容,条件等を記載した金銭消費貸借契約証書により,資金を調達する方法である。
問8 解答・解説
企業の資金調達に関する問題です。
1) は、適切。インパクトローンは、企業等が為替リスクを回避する等のために、外貨で資金調達する方法で、その資金使途は限定されていません。
インパクトローンは和製英語で、使途が限定されているタイドローンや、特定プロジェクト開発のための貸付であるプロジェクトローンと区別するために使われます。
2) は、適切。マル保融資(信用保証付融資)は、業種ごとに資本金や従業員数に制限があるものの、ほとんどの業種の中小企業が対象となりますが、農林漁業、宗教法人、非営利団体等、一部の業種は対象外です。
3) は、適切。ABL(アセット・ベースト・レンディング、動産・債権担保融資)は、企業の売掛金等の債権や在庫等の資産を担保として、融資を受ける資金調達方法で、担保資産の対象は、牛や豚等の家畜、米・ワイン等の食料品在庫、特許や商標等の知的財産等、多岐にわたります。
4) は、不適切。手形貸付とは、金融機関に対して、借用書の代わりに手形を差し入れる資金調達方法で、保証人の署名捺印や印鑑証明書が不要なため、手続きが迅速というメリットがあります。
借入金額・借入条件等を記載した金銭消費貸借契約証書による資金調達は、証書貸付です(保証人の署名捺印や印鑑証明書が必要)。
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