問11 2014年9月基礎
問11 問題文
個人年金保険に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。なお,契約者(=保険料負担者),被保険者および年金受取人は同一人であり,契約者は個人であるものとする。
1) 年金受取人が給与所得者で,確定年金として支払を受ける年金額からその年金額に対応する払込保険料を控除した額が20万円を超える場合,所得税の確定申告をする義務が生じる。
2) 確定年金の受取期間中に年金受取人が死亡し,残余期間の年金額を年金受取人の配偶者が受け取る場合,当該年金受給権は「定期金に関する権利の評価」に基づき評価される。
3) 保証期間付終身年金の保証期間部分の年金額を一括して受け取った場合,その一時金は一時所得として課税対象となる。
4) 確定年金として年金額を毎年受け取る場合,生命保険会社が支払う年金額からその年金額に対応する払込保険料を控除した金額が年間25万円以上になる場合,当該金額の一定割合の額が源泉徴収の対象となる。
問11 解答・解説
個人年金に関する問題です。
1) は、適切。給与所得や退職所得を除いた各種所得の合計が20万円を超える場合は、給与所得者でも確定申告する必要があります。
個人年金保険により受け取る年金は、雑所得として所得税の課税対象ですので、20万円を超えれば確定申告が必要となります。
2) は、適切。確定年金は、年金支払期間中、被保険者の生死に関係なく年金が支払われますので、契約者・被保険者・年金受取人が全て同じである場合、被保険者が死亡すると、遺族が年金の受給権を相続することになります。
年金受給権のように、ある期間定期的に金銭その他の給付を受ける受給権は、相続税法における「定期金に関する権利の評価」により評価(解約返戻金や一時金、年平均給付額等の相当額)されます。
3) は、不適切。保証期間付終身年金は、保証期間中は被保険者の生死に関係なく年金が受け取れ、保証期間経過後は生存している限り、年金を受け取ることができる保険です。
ただし、年金支払開始日後に保証期間分の年金額を一時金として受け取ることも可能で、保証期間終了後も被保険者が生存している間は再び年金が受け取れるため、一括して受け取った一時金は雑所得となります(通常、個人年金の一時金は一時所得ですが、保証期間付終身年金の一時金は「将来の年金給付の総額に代えて支払われるもの」に該当しないため、雑所得とされています。)。
4) は、適切。契約者と年金受取人が同じである個人年金の場合、受け取った年金額から対応する払込保険料を差し引いた額が25万円以上になると、一定割合の額が所得税と復興特別所得税として源泉徴収されます。
(契約者と年金受取人が異なる場合は、贈与税の課税対象となるため、年金支払時に所得税は源泉徴収されません。)
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