問26 2014年9月基礎
問26 問題文
居住者に係る所得税の退職所得に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
1) 勤続25年3カ月で障害者になったことに直接基因して退職することになった場合,退職所得の金額の計算上,退職所得控除額は1,320万円となる。
2) 退職一時金の支払を受ける従業員が「退職所得の受給に関する申告書」を提出しない場合には,退職一時金の収入金額に対して20.42%を乗じた所得税および復興特別所得税を源泉徴収する。
3) 契約者および死亡保険金受取人が法人,被保険者が役員である終身保険契約の名義を,契約者をその役員,死亡保険金受取人を役員の妻に変更し,退職金として当該契約を譲渡した場合,譲渡時の保険料積立金の総額がその役員に対する退職金の額とされる。
4) 勤続年数が5年以下である一定の役員に支給される特定役員退職手当等に係る退職所得の金額は,その年中の特定役員退職手当等の収入金額から退職所得控除額を控除した残額に相当する金額となる。
問26 解答・解説
退職所得に関する問題です。
1) は、適切。退職所得控除額は、勤続年数が20年以下の期間は1年当たり40万円(最低80万円)、20年を超える期間は1年当たり70万円ですが、障害者になったことで退職する場合、退職所得控除が100万円加算されます。
また、1年に満たない勤続期間は1年に切り上げます。
従ってこの場合の退職所得控除額は、20年×40万円+6年×70万円+100万円=1,320万円
2) は、適切。退職する従業員から「退職所得の受給に関する申告書」の提出がない場合、退職金の20.42%が所得税・復興特別所得税として源泉徴収されます。
退職所得控除額は控除されないため、退職者が確定申告して税額の精算を行うことになります。
3) は、不適切。法人が役員にかけた生命保険を、役員退職金の一部として現物支給(受取人を役員個人やその遺族に名義変更)した場合、支給時点での解約返戻金相当額が退職収入とみなされ、他の退職手当等と合算して、退職所得額が計算されます。
4) は、適切。退職所得=(退職収入−退職所得控除)×1/2 ですが、役員としての勤続年数が5年以下の場合、特定役員として上記計算式における「1/2」がなくなり、
特定役員退職所得=退職収入−退職所得控除 となります。
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