問44 2014年9月基礎
問44 問題文
遺言に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。
1) 遺言者が,遺言をした後に,遺言の内容に抵触する財産の生前処分を行った場合,その抵触した部分については遺言を撤回したものとみなされる。
2) 遺言者が公正証書による遺言書を作成した場合,その遺言を自筆証書遺言により撤回することができる。
3) 公正証書遺言を作成する場合,証人2人以上の立会いが必要であるが,遺言者の推定相続人は,この証人になることはできない。
4) 相続人が自筆証書遺言を発見し,家庭裁判所の検認を受ける前に開封した場合,その遺言書は無効となる。
問44 解答・解説
遺言に関する問題です。
1) は、適切。遺言書に記載されていた財産の一部が、生前に売却・贈与(生前処分)されている場合、生前処分と抵触する部分については遺言が撤回されたものとみなされます。
つまり、遺言書に書いてあっても、生前処分されていると相続できないわけですね。
2) は、適切。遺言の撤回は、公正証書遺言に限らず、どの遺言でも新たに作成することで可能です。
3) は、適切。公正証書遺言は、作成時に2名以上の証人の立会いが必要ですが、推定相続人や受遺者等は証人になれません(受遺者:遺言で財産を受け取る予定の人)。
つまり、遺言の内容に対して利害がある人(配偶者や親族等)は証人になれないわけです。
4) は、不適切。検認とは、遺言の有効・無効を判断する手続ではなく、相続人に遺言の存在・内容を知らせ、遺言書の形状や修正の有無、日付、署名等を明確にし、遺言書の偽造・変造を防止する手続です。
従って、検認前に遺言を開封しても、遺言書自体は有効ですが、5万円以下の過料に処されることがあります(封印された遺言書は、家庭裁判所で相続人や代理人等の立会いの上で開封することが必要です。 )。
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