問47 2014年9月基礎
問47 問題文
平成27年1月1日以後の相続に係る「非上場株式等についての相続税の納税猶予の特例」(以下,「本特例」という)に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。なお,各選択肢において,ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
1) 本特例の適用を受けるためには,後継者である経営承継相続人等は,「被相続人の親族であること」「相続開始の直前において役員であったこと」「相続開始の日において20歳以上であること」等,所定の要件を満たす必要がある。
2) 本特例の適用を受けるためには,常時使用従業員の数について,相続税の申告期限後から5年間は,毎年の基準日において相続開始時の80%以上を維持しなければならない。
3) 本特例の適用を受けた場合,後継者である経営承継相続人等の死亡時まで本特例の対象となる非上場株式等に対応する相続税の全額の納税が猶予される。
4) 本特例の適用後,経営承継期間中に雇用確保要件が満たされないために経済産業大臣の認定が取り消された場合において,納税猶予税額を納付しなければならないときは,延納の適用を選択することができる。
問47 解答・解説
非上場株式等についての相続税の納税猶予に関する問題です。
1) は、不適切。相続税の納税猶予の特例を受ける際、後継者の要件は、相続開始日の翌日から5ヶ月目に会社の代表権を有していること、相続開始直前に役員であったこと等ですが、20歳以上等の年齢制限や被相続人の親族である必要はありません(贈与税の納税猶予の特例では、後継者は20歳以上であることが必要です)。
2) は、不適切。平成27年1月1日以後、相続税の納税猶予制度を受けるには、相続税の申告期限後5年間における常時使用従業員数の平均が、相続開始時の80%以上である必要があります。
以前は相続開始時の80%維持が要件であったため、一時的にでも下回ると、その時点で納税猶予が取り消されてしまいましたが、平成27年1月1日以後は5年間の平均値に緩和されます。
3) は、不適切。相続税の納税猶予の特例は、後継者が先代経営者から相続や遺贈でその会社の非上場株式を取得した場合、株式に係る課税価格の80%が後継者の死亡まで猶予される制度です(全額猶予は贈与税の猶予特例)。
4) は、適切。平成27年1月1日以後は、相続税の納税猶予の特例を受けた後、雇用確保要件を満たせずに経済産業大臣の認定取消となった場合、猶予税額の全額を利子税額と併せて納付する必要がありますが、延納も選択可能となります。
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