問60 2014年9月応用
問60 問題文
土地の有効活用の検討にあたり,次の(1)〜(3)に答えなさい。それぞれ〔計算過程〕を示し,〈答〉はu表示とすること。なお,記載された事項以外は考慮しないものとする。
(1) 甲土地に耐火建築物を建築する場合,建ぺい率の上限となる建築面積はいくらか。
(2) 甲土地に耐火建築物を建築する場合,容積率の上限となる延べ面積はいくらか。
(3) 甲土地と乙土地とを一体とした土地に耐火建築物を建築する場合,容積率の上限となる延べ面積はいくらか。
問60 解答・解説
建築面積と延べ面積の上限に関する問題です。
まず、 防火規制がそれぞれ異なる土地にまたがっている場合、もっとも厳しい規制が課されますので、この場合は全て防火地域扱いとなります。
防火地域で耐火建築物を建築する場合、10%の建ぺい率緩和を受けられるため、第一種住居地域部分の建ぺい率=60%+10% となります。
また、指定建ぺい率が80%の地域でかつ防火地域内に耐火建築物を建てる場合は、建ぺい率の制限がありません(建ぺい率100%)ので、商業地域部分で適用される建ぺい率は、100%となります。
ここで、建築物の敷地が、建ぺい率の異なる2つ以上の地域にわたる場合、敷地全体の最大建築面積は、「各地域の面積×各建ぺい率」の合計となります。
よって(1)甲土地の建築面積の上限は、
第1種住居地域部分:22m×20m×(60%+10%)=308 u
商業地域部分 :4m×20m×100%=80 u
甲土地全体の上限 :308u+80u=388u
次に、延べ面積の上限=土地面積×その土地の容積率 ですが、建ぺい率同様、建築物の敷地が、容積率の異なる2つ以上の地域にわたる場合、敷地全体の延べ面積の上限は、「各地域の面積×各容積率」の合計となります。
ただし、容積率は、前面道路の幅が12m未満の場合に、用途地域によって制限されます。
住居系用途地域の場合……前面道路幅×4/10
その他の用途地域の場合…前面道路幅×6/10
この計算式結果と指定容積率を比べて、小さいほうが容積率の上限です。
問題文では前面道路が6mですから、上記の制限の対象となりますので、容積率の計算は、
第1種住居地域部分:6m×4/10=240% < 指定容積率300%。
よって容積率は240%。
商業地域部分 :6m×6/10=360% < 指定容積率400%。
よって容積率は360%。
よって(2)甲土地の延べ面積の上限は、
第1種住居地域部分:22m×20m×240%=1,056u
商業地域部分 :4m×20m×360%=288u
甲土地全体の上限 :1,056u+288u=1,344u
最後に、甲土地と乙土地を一体活用する場合、前面道路が6mと20mの2つになりますが、このような場合は広いほうの道路幅を前面道路とすることができます。
よって、前述の容積率の制限対象外となるため、(3)甲土地・乙土地一体活用による延べ面積の上限は、
第1種住居地域部分:22m×20m×300%=1,320u
商業地域部分 :(4m+16m)×20m×400%=1,600u
甲土地全体の上限 :1,320u+1,600u=2,920u
以上により正解は、(1)388(u) (2)1,344(u) (3)2,920(u)
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