問33 2015年1月基礎

問33 問題文と解答・解説

問33 問題文

企業の安全性を分析する指標に関する次の記述のうち,最も不適切なものはどれか。

1) 当座比率は,その企業の短期の負債に対する支払能力をみるための指標であり,100%を超えることが望ましいが,当座資産に含まれる棚卸資産が実質的に不良在庫となっている場合には,注意する必要がある。

2) 固定長期適合率は,企業の設備投資等の固定資産への投資が自己資本と長期の安定資金である固定負債によって,どの程度賄われているかを測定するための指標であるが,その値が適正であるか否かは業種別や企業の個別要因を勘案する必要がある。

3) 自己資本比率は,その企業の総資本に対する自己資本の割合を示したものであるが,その水準は同業他社との比較と同時に,過去の数値と比較することのほか,自己資本を構成する利益剰余金の額から過去の業績が順調であったか否かなど,注意深い判断を行う必要がある。

4) インタレスト・カバレッジ・レシオは,その値が高いほど財務的に余裕があると判断されるが,成長性のある企業では負債を増加させて事業を拡大する傾向があるため,企業の個別要因を勘案する必要がある。

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問33 解答・解説

財務分析指標に関する問題です。

1) は、不適切。当座比率=当座資産÷流動負債×100(%)で、短期の支払能力を判断する指標であり、当座比率が高いほど短期的な支払能力が高く望ましい状態といえます。
ただし、当座資産は現金・預金、受取手形、売掛金、有価証券等であり、棚卸資産は含まないため不良在庫の不安はありません。
棚卸資産等の流動資産から支払能力を判断する指標は、流動比率=流動資産÷流動負債×100(%)です。

2) は、適切。固定長期適合率は、固定資産に投資した資金が長期資金(自己資本と固定負債)でどれだけまかなわれているかを示すため、100%以下であることが望ましいとされます。
ただし、固定資産・固定負債の適正割合は業種や個別企業によって異なるため、一律に判断せず企業の個別要因も勘案することが必要です。

3) は、適切。自己資本比率(株主資本比率)は、総資産に対する自己資本(株主資本)の割合のことで、自己資本比率が高い方が負債の割合が低く、財務の健全性が高く、望ましいと判断されます。
自己資本比率は、金融機関が重視する指標でもあるため、融資のために無理な資本増強や借入金の返済を行って一時的に数値を高めている可能性もあることから、同業他社や過去の数値との比較、利益剰余金の推移などによる注意深い判断が必要です。

4) は、適切。インタレスト・カバレッジ・レシオとは、借入金に対する企業の利息支払い能力を示す指標で、これが高ければ、安心して融資できるってことで、銀行等の金融機関が融資の際に参考とする指標でもあります。
ただし、成長中の企業では事業拡大のために、多額の借入金(負債)により大幅な事業投資を行っていることがあり、数値だけではなく企業の個別要因を勘案する必要があります。

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