問60 2015年1月応用
問60 問題文
甲土地に耐火建築物を建築する場合,次の(1)および(2)に答えなさい(計算過程の記載は不要)。
(1) 建ぺい率の上限となる建築面積はいくらか。
(2) 容積率の上限となる延べ面積はいくらか。
問60 解答・解説
建築面積と延べ面積の上限に関する問題です。
甲土地は準防火地域であり、「防火地域」ではないので、耐火建築物を建てても20%緩和は受けられません。
また、特定行政庁の指定した角地でもないため、10%の建ぺい率緩和も受けられないため、指定建ぺい率60%が建ぺい率の上限となります。
建築面積の上限の計算式は、以下のとおりです。
建築面積の上限=土地の面積×土地の建ぺい率
ただし、この土地の側面道路幅は2mで、「建築基準法42条2項道路」とありますが、これは都市計画区域にある幅4m未満の道で、建築基準法上の道路とみなしているもの(2項道路)です。
2項道路の中心線から2m後退した線が、道路との境界線とみなされるため、みなし道路境界線と道までの部分(セットバック部分)は、容積率や建ぺい率の計算の際、敷地面積に算入されません。
セットバックで後退する距離は、現在の道路幅に対して、4mに足りない分の幅員の2分の1です。
本問の場合、幅員2mですから、セットバックした場合の後退距離は、
(4m−2m)÷2=1.0m
よって、
甲土地の面積=300u−(後退距離1.0m×間口15m)=285u
よって、(1)建築面積の上限=285u×60%=171u
次に、容積率は、前面道路の幅が12m未満の場合に、用途地域によって制限されます。
住居系用途地域の場合……前面道路幅×4/10
その他の用途地域の場合…前面道路幅×6/10
この計算式結果と指定容積率を比べて、小さいほうが容積率の上限です。
問題文では道路が6mと2mの2つありますが、このような場合は広いほうの道路幅を前面道路とすることができます。
よって甲土地は、前面道路が6m、用途地域は第一種中高層住居専用地域。よって容積率の計算は、
6m×4/10=240% > 指定容積率200%。よって甲の容積率は200%。
延べ面積の上限の計算式は、以下のとおりです。
延べ面積の上限=土地の面積×土地の容積率
建ぺい率と同様に、セットバック部分は、容積率の計算でも敷地面積に算入されません。
よって、(2)延べ面積の上限=285u×200%=570u
以上により正解は、(1)171(u) (2) 570(u)
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