問35 2015年9月基礎
問35 問題文
宅地建物取引業法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、買主は宅地建物取引業者ではないものとする。
1) 宅地建物取引業者は、宅地建物取引業務を行う事務所ごとに、その業務に従事する者5人に1人以上の割合で、成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
2) 宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約の締結に際して、宅地建物取引業者は、売買代金の額の1割を超える手付金を受領することはできない。
3) 宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約において、宅地建物取引業者が目的物の瑕疵担保責任を負う期間を目的物の引渡しの日から3年間とする旨の特約は有効である。
4) 宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地または建物の売買契約において、当事者の債務不履行を理由とする契約解除に伴う損害賠償額を予定し、または違約金を定めるときは、その合算額が売買代金の額の2割を超える部分は無効となる。
問35 解答・解説
宅地建物取引業法に関する問題です。
1) は、適切。宅地建物取引業者は、宅地建物取引業務を行う事務所ごとに、従業員の5人に1人以上の割合で、専任の宅地建物取引士を置くよう義務付けられています。
2) は、不適切。売主が宅地建物取引業者で、買主は宅地建物取引業者でない場合、売主が受け取る手付金の上限は、売買代金の2割までです。
3) は、適切。宅地建物取引業者が自ら売主となる場合、瑕疵担保責任については、民法の規定よりも買主に不利となる特約を締結できませんが、契約解除・損害賠償請求期間を引渡日より2年以上とする特約は除きます。つまり、民法上は、契約解除等の瑕疵担保責任を負うのは「瑕疵を知ってから1年以内」ですが、瑕疵担保責任を負う期間を「引渡日から2年以上」とする特約なら、民法よりも買主に不利ではありますが、有効とされるわけですね。
4) は、適切。宅地建物取引業者が自ら売主となる場合、債務不履行による契約解除に伴う損害賠償額や違約金をあらかじめ定めるときは、合算して売買代金の2割までとなります(2割を超える部分は無効)。不動産取引は高額になるため、買主になることが多い一般消費者保護の観点から、このような制限がかけられています。
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