問33 2015年10月基礎

問33 問題文と解答・解説

問33 問題文

損益分岐点分析に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1) 限界利益率は、売上高から固定費および変動費を差し引いた金額を売上高で除して算出され、売上高の増加によって、いくらの追加利益が獲得できるかを示す。

2) 損益分岐点比率は、実際の売上高を損益分岐点売上高で除して算出され、損益分岐点比率が高いほど、収益の安全性が高いことを示している。

3) 売上高が2億円である場合の変動費が8,000万円、固定費が6,000万円である企業は、固定費を1,200万円削減すれば、損益分岐点が1,500万円低下することになる。

4) 売上高が2億円である場合の変動費が4,000万円、固定費が2,000万円である企業が4,000万円の利益をあげるために必要な売上高は、7,500万円である。

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問33 解答・解説

財務分析指標に関する問題です。

1) は、不適切。「限界利益」とは、売上高から変動費を差し引いた利益のことで、売上増加時に最大限獲得できる利益を意味しています。
さらに、売上増加時に、利益増加に結び付く割合を示したものが、「限界利益率」で、以下の数式で算出できます。
限界利益率=限界利益÷売上高=(売上高−変動費)÷売上高=1−変動費率

2) は、不適切。損益分岐点比率は、損益分岐点売上高(売上高=費用となる売上高)の実際の売上高の割合をみて収益性の高さを判定するもので、この比率が低いほど収益性が高いことを示します。

3) は、不適切。損益分岐点 = 固定費 ÷{1−(変動費÷売上高)} ですので、
売上高2億円のときの変動費8,000万円、固定費6,000万円の場合、
損益分岐点=6,000万円÷{1−(8,000万円÷2億円)}=1億円となります。
ここで固定費を1,200万円削減し、4,800万円にした場合、
損益分岐点=4,800万円÷{1−(8,000万円÷2億円)}=8,000万円となり、損益分岐点が2,000万円低下することになります。

4) は、適切。(経常)利益=売上高−(変動費+固定費) ですが、固定費は売上高が0円でも必ずかかる費用ですので、固定費は2,000万円。
次に、変動費は、売上高に比例して増減する費用です。本問では売上高2億円のときに変動費4,000万円なのですから、変動費率(売上高に対する変動費の割合)=4,000÷20,000=0.2 です。
よって、変動費=売上高×変動費率=売上高×0.2
利益は4,000万円ですから、4,000万円=売上高−(売上高×0.2+2,000万円)
売上高×0.8=6,000万円
売上高=7,500万円(利益4,000万円に必要な売上高)

問32      問34

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