問45 2016年1月基礎
問45 問題文
遺留分に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 被相続人が相続開始前1年以内に相続人に贈与した財産は、贈与者および受贈者が遺留分権利者に損害を加えることを知っていたかどうかにかかわらず、遺留分の算定の基礎となる財産の価額に加算する。
2) 相続の開始前において遺留分を放棄するためには、家庭裁判所の許可を受けなければならない。
3) 相続人が被相続人の長男、二男、三男の3人であり、遺留分の算定の基礎となる財産の価額が3億円である場合に、長男が遺留分を放棄したときは、二男および三男の遺留分の額はそれぞれ7,500万円となる。
4) 遺留分減殺請求権は、遺留分権利者が相続の開始および減殺すべき贈与または遺贈があったことを知った時から1年間行使しないとき、あるいは相続開始の時から10年を経過したときに消滅する。
問45 解答・解説
遺留分に関する問題です。
1) は、適切。遺留分算定の基礎財産については、相続開始前の1年間にした贈与について算入します。なお、それ以前のものについても、当事者双方が遺留分権利者に損害を与えることを知った上で行った場合には、算入します。
2) は、適切。家庭裁判所の許可を得ることで、相続の開始前(被相続人の生存中)に、遺留分を放棄することができます(相続の放棄は、相続開始前(被相続人の生前)にはできません)。
3) は、不適切。遺留分は法定相続分の2分の1(相続人が直系尊属のみの場合は3分の1)です。よって、相続人が子3人の場合、遺留分はそれぞれの法定相続分(3分の1)の2分の1ですから、二男・三男それぞれの遺留分は、3億円×1/3×1/2=5,000万円となります。
4) は、適切。遺留分減殺請求権の時効は、権利者が相続の開始を知らない場合は、相続開始から10年、知っている場合は、相続開始および遺留分を侵害している遺贈・贈与があることを知ってから1年です。
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