問9 2016年9月実技(資産設計)
問9 問題文
綾子さんは厚生年金保険に加入する会社員であるが、裕樹さんの出産に係る産前産後休業を取得し、その後継続して現在に至るまで育児休業中である。綾子さんの休業や報酬月額などが下記<資料>のとおりである場合、綾子さんの厚生年金保険料や標準報酬月額などに関する次の(ア)〜(エ)の記述について、適切なものには○、不適切なものには×を解答欄に記入しなさい。
<資料>
・平成28年5月2日から8月7日まで産前産後休業を取得し、平成28年8月8日から平成29年6月11日まで育児休業を取得する。
・育児休業終了後は職場に復帰し、短時間勤務で働きながら裕樹さんを養育する。
・産前産後休業前の標準報酬月額:20万円
・平成29年6月から8月の各月の報酬月額:19万円
・平成29年6月から8月の3ヵ月間の報酬支払基礎日数は、すべて17日以上である。
[厚生年金保険標準報酬月額表(抜粋)] (単位:円)
(ア)綾子さんの育児休業期間中の厚生年金保険料は、事業主が所定の手続きを行うことにより免除されるが、産前産後休業期間中の厚生年金保険料は免除されない。
(イ)厚生年金保険料が免除された期間は、保険料を納めた期間と同様に、綾子さんの老齢基礎年金および老齢厚生年金などの年金額に反映される。
(ウ)綾子さんの標準報酬月額は、綾子さんが事業主を経由して年金事務所に申し出ることにより、平成29年9月から19万円に改定される。
(エ)綾子さんが事業主を経由して年金事務所に申し出たときは、裕樹さんが3歳になるまでの間の各月について、標準報酬月額が20万円を下回る月については、20万円であるものとみなして、老齢厚生年金などの年金額が計算される。
問9 解答・解説
産休・育休中の保険料に関する問題です。
(ア)は、×。産前産後休業・育児休業中の健康保険・厚生年金の保険料は、事業主・被保険者とも負担を免除してもらえます(介護保険も同様)。
(イ)は、○。産休や育休取得により厚生年金保険料が免除された期間は、保険料納付済期間と同様に、老齢基礎年金や老齢厚生年金等の年金額に反映されます。
(ウ)は、○。産前産後休業や育児休業終了後は、短時間勤務等により収入が減少することが多いため、職場復帰してから3ヶ月分の報酬額(給与)をもとに、標準報酬月額を改定することで、保険料負担を軽減することができます(産前産後休業・育児休業終了時改定)。
これを申請しておかないと、以前のフルタイム時代の給与で保険料が計算されるため、収入が減ったのに負担は以前のままとなってしまうわけです。
(エ)は、○。厚生年金における3歳未満の養育特例により、3歳未満の子供がいる場合、子供が生まれた後に月収が下がり、支払う保険料が下がっても、年金記録上は以前の高い保険料を支払ったとみなされます。
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