問14 2016年9月実技(資産設計)

問14 問題文と解答・解説

問14 問題文

広美さんは、銀行借入れにより投資用マンションを購入した。広美さんの平成28年分の所得および購入したマンションの内容が以下のとおりである場合、平成28年分の所得税の計算上、総所得金額として、正しいものはどれか。なお、その年分の総所得金額が最も少なくなるように計算するものとする。また、記載のない事項については考慮しないものとする。

・役員報酬:1,200万円
・不動産の賃貸収入:180万円
・不動産の必要経費
 支払利息:80万円(マンションの取得に要した借入金利子)
 その他の経費:190万円(必要経費として適正額である)
・マンションの購入時の内容

※銀行借入金の額は、土地と建物ごとに区分されていない。

<給与所得控除額の速算表>


1.880万円

2.900万円

3.912万円

4.960万円

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問14 解答・解説

総所得金額に関する問題です。

総所得金額は、大雑把に言うと、総合課税の所得を合計し、損益通算した後の金額です。

本問では、役員報酬は給与所得、不動産の賃貸収入は不動産所得として総合課税の対象ですので、いずれも総所得金額に含めます。

給与所得=給与収入−給与所得控除
    =1,200万円−(1,200万円×5%+170万円)
    =1,200万円−230万円
    =970万円

また、不動産所得=不動産収入−必要経費 で、不動産・事業・山林・譲渡所得の損失は、給与所得や一時所得等の他の所得と損益通算できます。
ただし、不動産所得の損失のうち、土地取得に要した負債の利子相当部分は、他の所得と損益通算できません(建物取得用なら損益通算可)。
つまり、借金して土地を購入した場合、その年は収入より支出が上回って不動産所得が損失となっても、借金の利子分は損益通算の対象外ということです。
本問の場合は、マンションの取得のための借入金の利子として支払利息80万円が記載されていますが、借入金が土地と建物に区分されていない場合、借入金はまず建物に充当され、残額が土地に使われたものとみなして、区分されます。

よって、銀行借入金4,000万円のうち、建物3,000万円が充当され、残り1,000万円と自己資金1,000万円で土地2,000万円を取得したとみなされます。
従って、土地部分の支払利息=80万円×ローン土地部分1,000万円/ローン全額4,000万円
             =20万円

よって、支払利息80万円のうち、20万円は土地部分として損益通算の対象外となりますので、必要経費に算入できるのは残額の60万円です。
不動産所得=180万円−(60万円+190万円)
     =▲70万円

よって、
総所得金額=給与所得+不動産所得
     =970万円+▲70万円=900万円

従って正解は、2. 900万円

※これがいわゆる「不動産投資で節税!」と宣伝されるものですね。本問では「その他経費」とされている中に減価償却費も含まれているため、実際には現金支出が発生していなくても、必要経費に算入できるため、結果的に節税になるわけです。

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