問32 2017年1月基礎

問32 問題文と解答・解説

問32 問題文

次の内国法人(普通法人、非上場会社)のうち、平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する事業年度において、前事業年度に生じた青色欠損金額を繰越控除前の所得の金額を限度として損金の額に算入することができる法人はいくつあるか。なお、本問における大法人とは、資本金の額が5億円以上である法人をいう。また、青色申告法人の欠損金の繰越控除の適用にあたって、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。

(a) 平成10年10月1日に設立され、大法人による完全支配関係のある資本金の額が5,000万円の中小法人

(b) 平成14年5月26日に設立され、大法人による完全支配関係のない資本金の額が2億円の法人

(c) 平成20年3月13日に設立され、大法人による完全支配関係のない資本金の額が8,000万円の中小法人

(d) 平成24年6月9日に設立され、大法人による完全支配関係のない資本金の額が3億円の法人

1) 1つ

2) 2つ

3) 3つ

4) 0(なし)

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問32 解答・解説

欠損金の繰越控除に関する問題です。

青色申告をしている資本金1億円以下の中小企業等であれば、欠損金の繰越控除として、各事業年度の所得金額を限度に、損金算入できます。
つまり、過去の欠損金が多額であれば、申告所得額0円でもOKということです。
これに対し、資本金1億円超の法人は、平成27年4月1日以後の事業年度では、欠損金の繰越控除は各事業年度の所得金額の60%が限度(平成28年度)です(以前は80%でしたが、平成27年度から65%→60%→55%→50%と、毎年段階的に引き下げられます。)。

また、法人の設立から7年間は、新設法人の特例として、資本金の額に関わらず、所得金額の100%まで控除可能です。

ただし、資本金1億円以下の法人や新設法人であっても、資本金5億円以上の法人(大法人)による完全支配関係がある場合や、完全支配関係がある複数の大法人に発行済株式等の全部を保有されている場合は、100%控除できず、上記の控除限度額の制限が適用されます。

従って本問の場合、大法人による完全支配関係のある(a)と、資本金2億円の(b)は100%控除の対象外ですが、資本金8,000万円の(c)と、新設法人である(d)は100%控除の対象です。

従って正解は、2)2つ

問31      問33

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