問34 2017年1月基礎

問34 問題文と解答・解説

問34 問題文

不動産登記に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1) 抵当権の実行による競売手続開始を原因とする差押えの登記は、権利部の乙区に記載される。

2) 合筆しようとしている2筆の土地のうち、1筆のみに抵当権の登記がある場合、抵当権者の承諾書を添付すれば、合筆の登記をすることができる。

3) 所有権移転の仮登記をした場合、当該土地に抵当権設定登記をすることはできるが、所有権移転登記をすることはできない。

4) 現在事項証明書には、登記記録に記録されている事項のうち現に効力を有するものが記載され、何区何番事項証明書には、権利部の相当区に記録されている事項のうち請求に係る部分が記載されている。

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問34 解答・解説

不動産の登記に関する問題です。

1) は、不適切。登記記録の権利部(甲区)には、所有権に関する事項(所有権の保存・移転・仮登記・差押え等)に関する事項が記載され、権利部(乙区)には、所有権以外の権利に関する事項(賃借権や抵当権)が記載されます。

2) は、不適切。合筆とは、隣接する数筆の土地を一筆の土地に法的に合体することですが、合筆しようとしている土地に、「抵当権等の所有権以外の権利の登記がないこと」が条件の1つとされており、抵当権者の承諾書を添付しても、合筆登記はできません。
例え抵当権者が承諾していても、一筆の土地の一部だけ抵当権が付いてるのを認めると、権利関係がどんどん複雑になっちゃいますもんね。

3) は、不適切。仮登記は将来の順位を保全するものの、対抗力はないことから、所有権移転の仮登記がされた後でも、抵当権設定登記や所有権移転登記(本登記)が可能です。

4) は、適切。登記簿(登記事項証明書)のうち、現在事項証明書は、登記記録に記録されている事項のうち、主に現在有効な事項のみが記載されたもので、何区何番事項証明書は、権利部の甲区・乙区に記録されている事項のうち請求した部分のみが記載されたものです。
現在事項証明書は、現在効力のない権利や以前の所有者等の記載がなく、現在の権利状態のみ知ることができ、何区何番事項証明書はマンションの敷地や私道のように共有者が多くいる場合に、必要な共有者の権利のみを知ることができます。

問33      問35

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