問53 2017年1月応用

問53 問題文と解答・解説

問53 問題文

Aさんが、定年退職後もX社の再雇用制度を利用して同社に勤務し、65歳で退職し
て再就職しない場合、Aさんが原則として65歳から受給することができる公的年金の老齢給付について、次の(1)および(2)に答えなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位とすること。また、年金額の端数処理は、円未満を四捨五入すること。
なお、計算にあたっては、以下の〈条件〉と〈資料〉の計算式を利用し、年金額は、平成28年度価額に基づいて計算するものとする。また、資料中の「□□□」は、問題の性質上、伏せてある。

(1)老齢基礎年金の年金額はいくらか。
(2)老齢厚生年金の年金額(本来水準による価額)はいくらか。

〈条件〉
(1) 厚生年金保険の被保険者期間
・昭和54年4月〜平成15年3月(288月)
・平成15年4月〜平成34年1月(65歳到達時点、226月)

(2) 平均標準報酬月額および平均標準報酬額(65歳到達時点)
・平均標準報酬月額:40万円
・平均標準報酬額 :53万4,000円

〈資料〉
老齢厚生年金の年金額(平成28年度価額、本来水準による価額)
下記、老齢厚生年金の計算式の @)+A)+B)

老齢厚生年金の計算式
@)報酬比例部分の額=(a)+(b)
(a)平成15年3月以前の期間分
平均標準報酬月額×乗率×平成15年3月以前の被保険者期間の月数
(b)平成15年4月以後の期間分
平均標準報酬額×乗率×平成15年4月以後の被保険者期間の月数

報酬比例部分の給付乗率(1,000分の)
総報酬制導入前・・・新乗率:7.125 旧乗率:7.5
総報酬制導入後・・・新乗率:5.481 旧乗率:5.769

A)経過的加算額=1,626円×被保険者期間の月数−□□□円×{昭和36年4月以後で20歳以上60歳未満の厚生年金保険の被保険者期間の月数/(加入可能年数×12)}

B)加給年金額=390,100円(要件を満たしている場合のみ加算すること)

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問53 解答・解説

老齢基礎年金・老齢厚生年金の支給額に関する問題です。

老齢基礎年金額の計算式は、以下の通りです。
老齢基礎年金=満額の基礎年金×(納付済月数+免除分調整月数)/(加入可能年数×12)

まず、平成28年度の満額の基礎年金額は、780,100円
Aさんには免除期間がなく、納付済月数は厚生年金の被保険者期間の合計として、288月+226月=514月ですが、これは厚生年金の被保険者期間です。
老齢基礎年金は、20歳〜60歳までの40年間(480ヶ月)が加入可能年数の上限となります(昭和16年4月2日以降に生まれた場合)。

Aさんは、大学在学中は国民年金に任意加入せず、卒業後就職してからはずっと厚生年金に加入しています。
よって、上限の480ヶ月から、在学中の未加入期間を差し引けば、保険料納付済期間を算出できます。
大学生だった昭和52年2月から昭和54年3月までは、26ヶ月です。

以上により、
Aさんの老齢基礎年金=780,100円×(480月−26月)/(40年×12)
          =737,844.5…円 → 737,845円(円未満四捨五入)

従って、(1)老齢基礎年金の年金額は、737,845円

次に、老齢厚生年金額の報酬比例部分の計算式は以下の通りです。
報酬比例部分=(平均標準報酬月額×乗率×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×乗率×平成15年4月以後の被保険者期間の月数)

問題にあるように、Aさんの平成15年3月までの平均標準報酬月額40万円・被保険者月数288月で、平成15年4月以降の平均標準報酬額53.4万円・被保険者月数226月です。
=400,000円×7.125/1000×288月+534,000円×5.481/1000×226月
=820,800円+66,1469.004円
=1,482,269.0…円 → 1,482,269 円(円未満四捨五入)

次に経過的加算額ですが、これは定額部分の年金額と老齢基礎年金の差額です。
定額部分の年金は、生まれた年によって、被保険者期間の月数の上限が異なります。
昭和 9年4月2日〜昭和19年4月1日生まれ:上限444月
昭和19年4月2日〜昭和20年4月1日生まれ:上限456月
昭和20年4月2日〜昭和21年4月1日生まれ:上限468月
昭和21年4月2日以後生まれ        :上限480月
Aさんの被保険者期間は、288月+226月=514月ですが、昭和32年生まれなので、上限480月として計算されます。

また、経過的加算額の算出において、基礎年金相当部分は「昭和36年4月以後で20歳以上60歳未満の厚生年金の被保険者期間」ですから、Aさんの厚生年金の被保険者期間514月のうち、60歳以降の60月分は除かれます。
よって計算式は
=1,626円×480月−780,100円×(514月−60月)/(40年×12)
=42,635.4…円 ⇒ 42,635円(円未満四捨五入)

よって、老齢厚生年金の基本年金額=報酬比例部分+経過的加算
=1,482,269 円+42,635 円
=1,524,904 円

最後に配偶者の加給年金は、厚生年金の被保険者期間が20年以上で、65歳未満の配偶者がいる場合には、老齢厚生年金に加給年金が加算されますが、Aさんは独身のため加給年金の支給対象外です。

よって、Aさんが受け取る老齢厚生年金額は、1,524,904 円 です。

以上により正解は、(1)737,845(円) (2)1,524,904(円)

問52          第2問

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