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2017年2月5日実技part1

2017年2月5日実技part1

part1 問題文

●設 例●
Aさん(74歳)は、大都市圏近郊のS市で精密機械の部品製造業を営むX社の代表取締役社長である。X社の従業員数は30人程度であるが、高い技術力で取引先からの評判も良好であり、順調に業績を伸ばしてきた。余剰資金は5億円程度ある。
Aさんの親族関係図等は以下のとおりである。長男Bさん(45歳)は、大学卒業後、金融機関に就職したが、15年前にX社に入社し、現在は専務取締役としてAさんを支えている。長男Bさんは、会社近くの戸建て住宅(持家)に家族と暮らしている。長女Cさん(42歳)は会社員の夫と結婚し、Aさん宅の近所にある賃貸マンションに住んでおり、妻が亡くなった後は、Aさんの身の回りの世話をしてくれている。兄妹の仲は良好である。
Aさんはこれまで会社の業績を向上させることを第一に考え、自分自身の相続についてはあまり関心がなかったが、妻を先に亡くしたこともあり、最近は財産をどのように相続させたらよいか悩んでいる。X社株式は長男Bさんに相続させ、自宅の土地・建物は長女Cさんに相続させたいと考えているが、相続税の支払のことを考えると現状の金融資産で足りるのかどうかが心配である。
Aさんの妹の夫は、現在X社の副社長であるが、3年後に退任予定である。妹からは、その時点でX社株式を買い取ってもらいたいと相談されている。また、長男Bさんからは、新製品開発のための研究施設をAさんの所有する資材置場に建設したらどうかと提案されている。
なお、Aさんの相続に係る相続税額は、約4億4,500万円(小規模宅地等の評価減適用前)と見積もられている。

【Aさんの所有財産の概要】(相続税評価額、土地は小規模宅地等の評価減適用前)
X社株式(中会社):6億円
自宅土地(300u):1億7,000万円
自宅建物     :3,000万円
X社資材置場(500u):1億円
預貯金等     :2億円
合計:11億円

【X社の株主構成】
Aさん:80%、Aさんの妹:20%

【Aさんの親族関係図】

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part1 ポイント解説

1. 納税資金の不足・相続税の軽減対策

(1) 生命保険・金庫株の活用(X社の余剰金は5億円程度)
(2) 自社株式評価の引き下げ(配当・利益・純資産の引下げ)
(3) 小規模宅地の特例の活用
(4) 非上場株式の相続税・贈与税の納税猶予制度の活用

2. 遺産分割対策・事業承継対策

(1) 遺言の作成
(2) 遺留分に関する民法の特例の活用
(3) 相続時精算課税制度・直系尊属からの住宅取得等資金贈与の非課税制度の活用
(4) 孫への教育資金贈与の非課税措置の検討
(5) 金庫株を用いた長男Bから長女Cへの代償分割

3. 納税資金を考慮した相続税対策

Aさん所有の株式については、非上場株式の相続税・贈与税の納税猶予制度の活用により、税負担を抑えながら移転することが可能。
ただし、適用対象は発行済議決権株式の3分の2までのため、Aさん所有分(全体の80%)のうち、適用外の株式は、業績が順調なX社が金庫株として数年間にわたって買い取ることが望ましい(相続開始から3年以内にX社に譲渡した場合は、みなし配当課税は適用されず、譲渡価額と取得価額の差額が譲渡所得(所得税15%・住民税5%)となり、相続税の取得費加算も適用できるため、X社が相続開始までに取得資金を準備し、相続発生後に金庫株として買い取ることも提案可能)。

同様に、Aさんの妹が保有するX社株式についても将来の相続発生による散逸防止のため、X社が余剰資金により金庫株として買い取ることが望ましい。

4. 資材置き場の研究施設への転用による相続税評価

資材置き場は通常、自用地として評価されるため、相続税負担も大きくなるが、X社が研究施設を建てると、貸宅地として評価されるため、借地権分が控除され、相続税負担も軽減可能。
また、法人が不動産を取得した場合、課税時期前3年以内に取得した土地建物は通常の取引価格によって評価するのに対し、3年経過後には建物は固定資産税評価額、土地は相続税路線価または倍率方式で評価するため、3年経過後に相続税の負担軽減効果が期待できる。

●FPと職業倫理

FPの職業倫理は、顧客利益の優先、守秘義務、説明義務(アカウンタビリティ)、顧客の説明・同意(インフォームド・コンセント)の4つ。
本問では、FPと顧客の利益相反や顧客の秘密漏洩を懸念する局面ではなく、金融商品取引法等における重要事項の説明義務に関わる段階でもなさそうですので、一番重要なのは、様々な相続税の軽減対策・事業承継対策の方法やそれを適用した結果をきちんと説明し顧客の理解度を確認する「インフォームド・コンセント」ということになるかと思います。

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