問4 2017年9月基礎
問4 問題文
老齢基礎年金および老齢厚生年金の支給開始の繰上げ、繰下げに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 昭和32年10月1日生まれの男性で、厚生年金保険の被保険者期間を有する者は、所定の要件を満たせば、60歳から老齢基礎年金のみを繰上げ受給し、63歳から特別支給の老齢厚生年金を受給することができる。
2) 振替加算の対象者が老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合、振替加算は、老齢基礎年金と同様に、繰り下げた月数に応じて増額される。
3) 60歳から寡婦年金を受給していた者は、老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をすることはできない。
4) 65歳以後も引き続き厚生年金保険の被保険者である者が老齢厚生年金の繰下げ支給の申出をした場合、老齢厚生年金の年金額のうち、在職支給停止の仕組みにより支給停止とされる部分の金額は、支給を繰り下げたことによる増額の対象とならない。
問4 解答・解説
年金の繰上げ・繰下げに関する問題です。
1) は、不適切。特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)の支給開始年齢が61歳〜64歳で、かつ、受給要件を満たしている60歳以上の者は、支給開始年齢到達前に老齢厚生年金の繰上げ支給を請求可能ですが、年金額は月0.5%減額で、老齢基礎年金の同時繰上げが必要です。
2) は、不適切。振替加算の対象者が老齢基礎年金の繰下げをした場合、振替加算は増額されず、繰下げ期間中は支給停止されます。
3) は、不適切。寡婦年金の受給者であっても、老齢基礎年金の繰下げは可能です。
なお、寡婦年金は子のない妻に対し、老齢基礎年金の支給開始まで支給されるため、老齢基礎年金の繰上げ支給をすると、寡婦年金の受給権は消滅してしまいます。
4) は、適切。支給繰下げをした場合、年金は1カ月当たり0.7%増額されますが、在職中の場合、増額対象となるのは在職老齢年金の仕組みによる支給停止部分を除いた額(調整後の額)です。
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