問15 2017年9月基礎
問15 問題文
個人が自動車保険から受け取る保険金の課税関係に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 自動車事故によりAさんが死亡し、Aさんの遺族に対して事故の相手方が加入する自動車保険の対人賠償保険から保険金が支払われた場合、Aさんの過失の有無にかかわらず、当該保険金については、所得税、相続税および贈与税の課税対象とならない。
2) 自動車事故によりBさんの自家用車が全損し、Bさんに対して事故の相手方が加入する自動車保険の対物賠償保険から保険金が支払われた場合、Bさんの過失の有無にかかわらず、当該保険金については、所得税の課税対象とならない。
3) 自動車事故により自家用車を運転していたCさんが死亡し、Cさんの遺族に対してCさんが加入する自動車保険の人身傷害(補償)保険から保険金が支払われた場合、Cさんの過失の有無にかかわらず、当該保険金については、所得税、相続税および贈与税の課税対象とならない。
4) Dさんが所有する自家用車が盗難に遭い、Dさんに対してDさんが加入する自動車保険の車両保険から保険金が支払われた場合、当該保険金については、所得税の課税対象とならない。
問15 解答・解説
個人の損害保険の税務に関する問題です。
1) は、適切。加害者の加入していた対人賠償保険契約により遺族が受け取った保険金は、遺族の所得となるため、相続税・贈与税の課税対象外です。
ただし、対人・対物事故により支払われる損害保険の保険金や賠償金は、所得税法上非課税所得となるため、遺族が受け取る場合も非課税です。
2) は、適切。対人・対物事故により支払われる損害保険の保険金や賠償金は、所得税法上非課税所得となります。
3) は、不適切。人身傷害補償保険で支払われる保険金は、自動車事故における自己の過失部分も含め、損害額全額が支払い対象で、死亡保険金のうち相手からの損害賠償部分(過失割合分)は非課税となり、死亡した本人の過失割合分は相続税の課税対象となります。
4) は、適切。自動車が盗難の被害に逢って受け取った車両保険の保険金は、その自動車の再調達価格ですから、理屈上トクした(利益が出た)というわけではありません。よって、保険金は非課税となります。
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