問63 2017年9月応用

問63 問題文と解答・解説

問63 問題文

《設例》の〈X社の概要〉に基づき、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額を求めなさい。〔計算過程〕を示し、〈答〉は円単位とすること。また、端数処理は、各要素別比準割合および比準割合は小数点第2位未満を切り捨て、1株当たりの資本金等の額50円当たりの類似業種比準価額は10銭未満を切り捨て、X社株式の1株当たりの類似業種比準価額は円未満を切り捨てること。
なお、平成29年1月1日以後の相続または遺贈により取得した財産の評価に適用される算定方法を使用すること。また、X社株式の類似業種比準価額の算定にあたり、複数の方法がある場合は、できるだけ低い価額となる方法を選択するものとする。

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問63 解答・解説

非上場株式会社の類似業種比準方式による株価算定に関する問題です。

1株当たりの類似業種比準価額について、数式は以下の通りです。
株価=類似業種の株価×{(a/A+b/B+c/C)/3}×乗数×1株当たりの資本金額/50円
※a、b、c…評価会社の1株当りの配当金額、利益金額、純資産価額(簿価)
※A、B、C…類似業種の1株当りの配当金額、利益金額、純資産価額(簿価)
※乗数は、大会社は0.7、中会社は0.6、小会社は0.5
類似業種の株価は、評価する月・評価する前月・評価する前々月・前年平均・前2年間の平均のうち最も小さい金額

平成29年度税制改正では、非上場株式の相続税評価額を算定する際、比準要素である配当・利益・簿価純資産の比重が1:3:1から1:1:1になり(b/Bを3倍せず、比準要素の合計を3で割る)、類似業種の株価に評価前2年間の平均が追加されるなど、業績好調な会社には有利な反面、内部留保の多い会社にとっては不利な評価額となっています。

問題文では「財産評価基本通達上の規模区分は「中会社」」という記述がありますので、乗数は0.6となります。

また問題文では、資本金額5,000万円で、発行済株式総数100,000株(10万株)ですから、
1株当りの資本金額=5,000万円÷10万株=500円 です。

よって、類似業種比準方式の株価は、
株価=192円×{(3.2/2.9+26/19+240/220)/3}×0.6×500円/50円
  =192円×(1.10+1.36+1.09)/3×0.6×500円/50円 ←小数点第2位未満切捨て
  =192円×1.18×0.6×10 ←小数点第2位未満切捨て
  =135.9 円×10 ←10銭未満切捨て
  =1,359 円

以上により正解は、1,359(円)

第5問          問64

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