問9 2018年1月基礎
問9 問題文
生命保険契約者保護機構に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 国内で事業を行う少額短期保険業者は、保険業法の規制の対象となるが、生命保険契約者保護機構の会員ではないため、その補償の対象とならない。
2) 特別勘定を設けなければならない保険契約のうち、運用結果に基づき支払われる保険金等のすべてについて最低保証の付されていない保険契約(運用実績連動型保険契約)において、当該特別勘定に係る部分については、補償対象契約から除外される。
3) 高予定利率契約とは、生命保険会社の破綻時に過去5年間で常に予定利率が5%を超えていた保険契約をいい、補償対象契約のうち高予定利率契約に該当する保険契約の責任準備金等の補償率は、90%から補償控除率を減じた率とされる。
4) 平成34年(2022年)3月末までに生命保険会社が破綻した場合で、会員の拠出する負担金等で資金援助等の対応ができないときには、国会審議を経て、国から生命保険契約者保護機構に対して補助金を交付することが可能とされている。
問9 解答・解説
保険契約者保護に関する問題です。
1) は、適切。少額短期保険業者は、保険業法上の規制対象ではありますが、保険契約者保護機構の対象外のため、少額短期保険業者が破綻すると、被保険者の死亡により発生する保険金であっても、生命保険契約者保護機構からは補償されません。
2) は、適切。生命保険契約者保護機構の補償対象は、国内の元受保険契約で、再保険や運用実績連動型保険契約の特定特別勘定部分は除かれます。
再保険とは、簡単に言えば保険会社が破綻しないように、保険会社自身が加入する保険です。
運用実績連動型保険契約の特定特別勘定部分とは、最低保証のない保険契約の特別勘定部分(運用資産)です。
普通の保険契約部分は補償するけど、運用部分は補償しないよ!ということですね。
3) は、不適切。生命保険の高予定利率契約とは、破綻時に、過去5年間で常に予定利率が基準利率(全生命保険会社の過去5年の年平均運用利回り)を超えていた契約のことで、補償率は90%よりも低くなります。
高予定利率契約の補償率=90%−(過去5年分の超過分の利率合計×2分の1)
4) は、適切。生命保険契約者保護機構の財源は、保険会社からの負担金ですが、負担金だけで資金援助等の対応ができない場合は、国から補助金を交付することが可能です。
この制度は時限措置として何度か延長されてきており、現在は平成34年(2022年)3月末までとなっています。
よって正解は、3)
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