問46 2018年1月基礎
問46 問題文
民法における遺言と遺留分に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 公正証書遺言の作成にあたって遺言執行者を指定する場合、遺言者の推定相続人および受遺者を遺言執行者とすることはできない。
2) 公正証書遺言を作成していた遺言者がその内容に抵触する自筆証書遺言を作成した場合、その抵触する部分については、自筆証書遺言で公正証書遺言を撤回したものとみなされる。
3) 被相続人が相続開始前1年以内に相続人に贈与した財産は、贈与者および受贈者が遺留分権利者に損害を加えることを知っていたかどうかにかかわらず、遺留分の算定の基礎となる財産の価額に加算する。
4) 遺留分権利者が相続の開始前において遺留分の放棄をするためには、家庭裁判所の許可を受けなければならない。
問46 解答・解説
遺言・遺留分に関する問題です。
1) は、不適切。遺言執行者とは、遺言書に沿って、相続財産の管理や 名義変更等の手続きを行う相続人の代理人ですが、弁護士等の特別な資格は不要で、遺言者の推定相続人や受遺者(遺贈を受ける者)であっても、誰でも選任可能です(未成年や破産者は不可)。
2) は、適切。前の遺言が後の遺言と抵触する場合、抵触部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。
つまり、遺言者は、遺言の一部だけを撤回できます。後から気が変わって「やっぱりあいつには相続させたくない!」と思えばその部分だけ撤回できるわけです。
3) は、適切。遺留分算定の基礎財産については、相続開始前の1年間にした贈与について算入します。なお、それ以前のものについても、当事者双方が遺留分権利者に損害を与えることを知った上で行った場合には、算入します。
4) は、適切。家庭裁判所の許可を得ることで、相続の開始前(被相続人の生存中)に、遺留分を放棄することができます(相続の放棄は、相続開始前(被相続人の生前)にはできません)。
よって正解は、1)
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