問40 2018年9月基礎
問40 問題文
Aさんは、20年前に取得してから現在に至るまで居住している自宅(建物および敷地)を平成30年中に売却し、新たな住宅(建物および敷地)を購入することを検討している。「特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例」(以下、「本特例」という)に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、売却を予定している自宅(建物および敷地)の取得費および譲渡費用の合計は3,000万円であるものとする。
1) Aさんが、平成30年中に自宅を買い換え、本特例の適用を受けた場合、新たな住宅の購入に住宅ローンを利用したときであっても、当該住宅ローンについて住宅借入金等特別控除の適用を受けることはできない。
2) Aさんが、平成30年中に自宅を買い換え、本特例の適用を受けた場合において、新たに取得した住宅を平成32年中に売却した場合、その売却に係る譲渡所得については「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除」および「居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例」のいずれの適用も受けることはできない。
3) Aさんが、平成30年中に自宅を5,000万円(建物500万円、敷地4,500万円)で売却して新たな住宅を5,000万円(建物2,000万円、敷地3,000万円)で取得し、本特例の適用を受けた場合、その売却に係る譲渡所得について所得税および住民税は算出されない。
4) Aさんが、平成30年中に自宅を5,000万円(建物500万円、敷地4,500万円)で売却して新たな住宅を4,000万円(建物1,500万円、敷地2,500万円)で取得し、本特例の適用を受けた場合、取得した住宅の取得価額は2,720万円(建物1,020万円、敷地1,700万円)となる。
問40 解答・解説
居住用財産の譲渡所得の特例に関する問題です。
1) は、適切。居住年とその前後2年ずつの5年間において、居住用財産の譲渡所得の特例(3,000万円の特別控除・軽減税率の特例・買換え特例)を受けている場合、住宅ローン控除は適用されません。
2) は、適切。居住用財産の3,000万円の特別控除や軽減税率の特例は、譲渡した年の前年または前々年に、居住用財産の買換え特例を適用していると、適用できません。
3) は、適切。居住用財産の買換え特例では、売った家より買った家のほうが高ければ課税繰り延べ、逆に売った家のほうが買った家より高い場合は、差額に長期譲渡所得として20.315%課税(買った家相当額は課税繰り延べ)されます。売った家と買った家の価額の比較は、土地と建物の合計額で判断されるため、合計額が同額の自宅の買換えの場合には、家を売った時点では所得税・住民税は算出されません。
4) は、不適切。居住用財産の買換え特例では、売った家より買った家のほうが高ければ課税繰り延べ、逆に売った家のほうが買った家より高い場合は、差額に長期譲渡所得として20.315%課税(買った家相当額は課税繰り延べ)されるため、買い換えた家は売った家の売却額との差額を考慮した取得価額を引き継ぐ(同額の場合は実際の取得価額、売却額より高い家の場合は差額を追加、売却額より安い家の場合は売却額における割合に応じた額)ことになります。
本問の場合、3,000万円で取得した自宅を5,000万円で売却して4,000万円の自宅に買い換えているため、引き継ぐ取得価額は3,000万円のうち、売却額5,000万円における買換資産4,000万円の割合分ということになります。
引き継ぐ取得価額(全体)=3,000万円×4,000万円/5,000万円=2,400万円
引き継ぐ取得価額(建物)=2,400万円×1,500万円/4,000万円=900万円
引き継ぐ取得価額(敷地)=2,400万円×2,500万円/4,000万円=1,500万円
よって正解は、4
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