問43 2018年9月基礎
問43 問題文
普通養子に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、特別養子縁組以外の縁組による養子を普通養子といい、記載のない事項については考慮しないものとする。
1) 年少者である弟や妹は普通養子とすることができるが、年長者である兄や姉を普通養子とすることはできない。
2) 子を有する者と婚姻した後、その子を普通養子とする場合において、その子が未成年者であるときは、家庭裁判所の許可を得なければならない。
3) 普通養子は、養子縁組の日から養親の嫡出子としての身分を取得し、養親に対する相続権を有するとともに、実親との親族関係も継続するため、実親に対する相続権も有する。
4) 子を有する者を普通養子とした後、養親の相続開始前にその普通養子が死亡した場合、養親の相続において、普通養子の子は、普通養子の相続権を代襲しない。
問43 解答・解説
普通養子に関する問題です。
1) は、適切。養子縁組の条件は、養子になる者が養親に対して、年長ではないことと、直系尊属ではないことですので、兄弟姉妹間における養子縁組は、兄や姉が年少者である弟や妹を養子にすることは可能ですが、弟や妹が年長者である兄や姉を養子にすることはできません。
2) は、不適切。未成年者を養子にする場合、家庭裁判所の許可が必要ですが、自分か配偶者の直系卑属(自分の孫や連れ子など)を養子にする場合は許可不要です。
3) は、適切。養子になると、養子縁組の日から養親の嫡出子(籍を入れた夫婦の子)としての身分を取得しますが、特別養子縁組ではない、普通養子縁組の場合、養子と実の父母との親族関係は終了せず、養親だけでなく、実の父母が死亡したときにも相続人となることができます。
特別養子縁組とは、養子が戸籍上も実親との親子関係を断絶し、実子と同じ扱いとする縁組です。特別養子縁組が成立した場合、実の父母との親族関係は終了し、実の父母の相続人となりません。
4) は、適切。養子縁組成立前に生まれていた養子の子は、養親との間には法的な血縁関係が生じないため、養親の相続開始前に養子が死亡した場合、養親の相続が発生しても、養子縁組の成立前に生まれていた養子の子は、代襲相続できません。
なお、養子縁組の成立後に生まれた養子の子は、法的な血縁関係が生じるため、代襲相続可能です。
よって正解は、2
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