第5問 2018年9月応用
第5問 設例
次の設例に基づいて,下記の各問に答えなさい。
《設例》
Aさん(70歳)は、一昨年ごろから自身の健康面に不安を感じることが多くなり、自身の相続が発生したときのことを考えるようになった。
そこで、Aさんは、いくつかの相続セミナーに参加してみたところ、これまで、子どもたちの仲は良好であるため遺産分割でもめることはないと漠然と思っていたが、多くのトラブル事例を聞くことで不安を感じ、保有する財産の分割内容について遺言しておくことにした。また、Aさんは、結婚する子どもや大学に進学する孫のために、贈与税の非課税措置を利用して資金援助を行った。
Aさんの親族関係図や保有する財産の分割内容等に関する資料は、以下のとおりである。なお、長男Cさんは、5年前に病気により他界している。また、長女Dさんは身体に障害があり、Aさんは、孫Hさんおよび孫Iさんとそれぞれ普通養子縁組(特別養子縁組以外の縁組)をしている。
第5問 資料
〈Aさんの親族関係図〉
〈Aさんが保有する財産の分割内容〉
(1)妻Bさん
現預金:5,000万円(相続税評価額)
自宅
建物:固定資産税評価額800万円
敷地:宅地面積264u、自用地価額6,200万円
(2)長女Dさん
現預金:1,000万円(相続税評価額)
有価証券:500万円(相続税評価額)
賃貸アパート
建物:固定資産税評価額2,000万円、借家権割合30%、賃貸割合100%
敷地:宅地面積400u、自用地価額8,000万円
借地権割合60%、借家権割合30%、賃貸割合100%
(3)二女Eさん
現預金:2,500万円(相続税評価額)
有価証券:700万円(相続税評価額)
(4)孫Fさん
現預金:300万円(相続税評価額)
(5) 弟Jさん
現預金:1,000万円(相続税評価額)
有価証券:800万円(相続税評価額)
〈Aさんが加入している生命保険の契約内容〉
(1) 終身保険
契約者(=保険料負担者)・被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:妻Bさん
死亡保険金額:6,000万円
(2) 終身保険
契約者(=保険料負担者)・被保険者:Aさん
死亡保険金受取人:長女Dさん
死亡保険金額:4,000万円
〈Aさんが行った贈与の内容〉
(1) 長女Dさんは、平成28年4月にAさんから有価証券の贈与を受け、初めて相続時精算課税の適用を受けた。贈与を受けた有価証券の贈与時の価額(相続税評価額)は500万円、現時点(平成30年9月9日)の価額(相続税評価額)は600万円である。
(2) 孫Fさんは、平成28年6月にAさんから現金800万円の贈与を受け、「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」の適用を受けた。現時点(平成30年9月9日)において、教育資金管理契約に係る非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額が600万円ある。
(3) 二女Eさんは、平成28年10月にAさんから現金600万円の贈与を受け、「直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」の適用を受けた。現時点(平成30年9月9日)において、結婚・子育て資金管理契約に係る非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額が400万円ある。
※Aさんとその親族の年齢は、いずれも現時点(平成30年9月9日)のものである。
※上記以外の条件は考慮せず、各問に従うこと。
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