問9 2019年1月実技(資産設計)
問9 問題文
詩織さんは、自分に万一のことがあった場合を心配している。詩織さんが死亡した場合に支給される公的年金の遺族給付に関する次の記述の空欄(ア)〜(ウ)にあてはまる語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。なお、詩織さんは厚生年金加入中に死亡するものとし、死亡前の公的年金加入歴および遺族年金の額は下記<資料>のとおりであるものとする。また、詩織さん死亡後、宏明さんと悠太くんは生計を同じくするものとし、遺族給付に関する記載以外の支給要件はすべて満たされているものとする。
<資料>
[詩織さんの死亡前の公的年金加入歴]
[詩織さんの死亡による遺族年金の額]
<遺族厚生年金>
・年金額:250,000円
<遺族基礎年金>
・年金額:779,300円
・子の加算額:
第1子および第2子1人当たり224,300円
第3子以降1人当たり74,800円
・詩織さんが死亡した場合、遺族基礎年金を受給できる遺族とされるのは宏明さんと悠太くんであり、遺族厚生年金を受給できる遺族とされるのは( ア )である。
・支給される遺族年金の額は、宏明さんは( イ )、悠太くんは( ウ )である。
1.(ア)宏明さんと悠太くん (イ)1,003,600円 (ウ)1,029,300円
2.(ア)宏明さんと悠太くん (イ)1,253,600円 (ウ) 250,000円
3.(ア)悠太くん (イ)1,253,600円 (ウ)1,029,300円
4.(ア)悠太くん (イ)1,003,600円 (ウ) 250,000円
問9 解答・解説
遺族基礎年金・遺族厚生年金の支給要件・支給額に関する問題です。
遺族基礎年金は、子供や子供のいる配偶者が支給対象で、子どもの人数に応じて、支給額が増加します。
子供の数 : 支給金額(年間・平成30年度額)
子供1人 : 779,300円+224,300円×1=1,003,600円
子供2人 : 779,300円+224,300円×2=1,227,900円
子供3人 : 779,300円+224,300円×2+74,800円=1,302,700円
子供4人以上 : 1人増えるごとに74,800円追加
※支給期間は子供が18歳になる年度末まで。
779,300円は満額の老齢基礎年金額と一緒で、子供2人までは1人当たり224,300円が増額され、3人目以降は1人当たり74,800円が増額されるわけですね。
よって、詩織さんが現時点で死亡した場合の遺族基礎年金は、780,100円+224,300円×1=1,003,600円
なお、遺族基礎年金は、配偶者と子それぞれ別個に受給権が発生しますが、配偶者に対する遺族基礎年金が優先して支給されます(子に対する遺族基礎年金は支給停止)。
これに対し、遺族厚生年金の支給対象は、死亡した被保険者によって生計を維持されていた「配偶者および子、父母、孫、祖父母(←支給順位順)」で、最高順位の者以外には受給権がありません。
また、妻以外の遺族の場合、子・孫は18歳未満(18歳到達年度末まで可)または20歳未満で障害有り、夫・父母・祖父母は55歳以上(支給は60歳から)が支給対象です。
よって本問の場合、詩織さん死亡時、夫の宏明さんは36歳のため遺族厚生年金の支給対象とならず、子供に支給されます(子の18歳到達年度末まで)。
また、遺族基礎年金は「子のある配偶者」である夫の宏明さんに支給され、子の18歳到達年度末までは子の加算1人分となります。
以上により正解は、4.(ア)悠太くん (イ)1,003,600円 (ウ) 250,000円
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