問21 2019年1月基礎
問21 問題文
資本資産評価モデル(CAPM)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、β(ベータ)値は1より大きく、安全資産利子率はゼロではないものとする。
1) 資本資産評価モデル(CAPM)によるポートフォリオの期待収益率の算出にあたって、安全資産利子率は、一般に、当該ポートフォリオに組み入れる資産の過去の平均収益率を用いる。
2) 資本資産評価モデル(CAPM)におけるβ(ベータ)値は、市場全体に対するポートフォリオのアンシステマティック・リスクを測定した値である。
3) ポートフォリオのβ(ベータ)値が、同じ市場を対象とする他のポートフォリオのβ(ベータ)値の2倍である場合、資本資産評価モデル(CAPM)により算出されるポートフォリオの期待収益率も2倍となる。
4) 資本資産評価モデル(CAPM)によれば、同じ市場を対象とする2つのポートフォリオを比較した場合、β(ベータ)値が大きいポートフォリオのほうが、市場全体の変動の影響をより大きく受けるため、ポートフォリオのリスクが高いといえる。
問21 解答・解説
CAPM(資本資産評価モデル)に関する問題です。
資本資産評価モデル(CAPM)とは、市場が均衡していれば、リスクを負った分、それに見合うリターンを得られることを明らかにした理論で、数式は以下の通りです。
ポートフォリオの期待収益率=安全資産利子率+(市場全体の期待収益率−安全資産利子率)×β
1) は、不適切。安全資産利子率は、リスクが皆無か極小の投資案件に対する期待利回りです。
2) は、不適切。ポートフォリオのリスクにはアンシステマティックリスク(非市場リスク)とシステマティックリスク(市場リスク)がありますが、β(ベータ)値は市場ポートフォリオの収益率が1%変化したとき、個別証券の収益率が何%変化したかを表しており、個別株価と市場の連動性を示す、システマティックリスクの指標です。
なお、最適ポートフォリオを組んだとしても、システマティックリスク(市場リスク)をゼロには出来ません。つまり、ほぼ全ての証券に影響を及ぼすような価格変動要因については、分散投資でも消去できないわけです。
3) は、不適切。ポートフォリオのβ(ベータ)値が、他のポートフォリオのβの2倍である場合、計算上、ポートフォリオの期待収益率は単純な2倍ではなく、安全資産利子率分を控除した数値となります。
なお、市場の期待収益率と安全資産利子率がともに2倍になると、β(ベータ)が一定であれば、ポートフォリオの期待収益率も2倍になると考えられます。
4) は、適切。β(ベータ)値は市場ポートフォリオの収益率が1%変化したとき、個別証券の収益率が何%変化したかを表すため、βが高いほど、そのポートフォリオの価格変動は市場全体の価格変動に比べて大きくなるため、リスクが高いといえます。
よって正解は、4
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