問45 2019年1月基礎
問45 問題文
平成30年10月に死亡したAさんの下記の親族関係図に基づき、Aさんの相続に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。なお、Aさんの父母および長女はAさんの相続開始前に既に死亡している。
(a) 仮に、長男Cさんおよび二男Dさんが相続の放棄をした場合、相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額は4,800万円となる。
(b) 仮に、長男CさんがAさんの意向により廃除されて相続権を失っていた場合、相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額は5,400万円となる。
(c) 仮に、孫Eさんおよび孫GさんがAさんの普通養子(特別養子縁組以外の縁組による養子)であった場合、相続税額の計算上、遺産に係る基礎控除額は6,000万円となる。
1) 1つ
2) 2つ
3) 3つ
4) 0(なし)
問45 解答・解説
相続税の基礎控除に関する問題です。
(a) は、不適切。相続税の基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数ですが、配偶者は常に法定相続人となり、それ以外の親族は、子・直系尊属・兄弟姉妹の順に、先の順位者がいない場合に、法定相続人となります。
また、被相続人が死亡するよりも先に相続人が死亡した場合、その相続人の直系卑属が代襲相続人として、相続人に代わって相続します。
従って、本問における法定相続人は、配偶者である妻B、長男C、二男D、長女の代襲相続人である孫G・Hの5人が法定相続人となるはずですが、長男C、二男Dは相続放棄しています。
相続税の基礎控除の計算上では、法定相続人は相続放棄があっても、「相続放棄はなかったもの」として扱われます。
よって、相続税の基礎控除:3,000万円+600万円×5人=6,000万円 です。
(b) は、不適切。代襲相続は、相続人が、相続前に死亡していた場合、相続に関して不正行為をした場合(相続欠格)、被相続人への虐待や重大な侮辱があった場合(相続人の廃除)に行われます。
相続税の基礎控除における法定相続人の数には、廃除や欠格となった相続人に代襲者がいる場合は、その数がカウントされますが、代襲者がいない場合には、廃除や欠格となった相続人は対象外となります。
よって、長男Cが廃除された場合、孫E・Fが代襲相続人として法定相続人になるため、法定相続人は、配偶者である妻B、長男Cの代襲相続人である孫E・F、二男D、長女の代襲相続人である孫G・Hの計6人です。
よって、相続税の基礎控除:3,000万円+600万円×6人=6,600万円 です。
(c) は、不適切。相続税の基礎控除は、3,000万円+法定相続人の数×600万円ですが、相続税法上、養子の場合は実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は2人まで法定相続人とすることができます。
また、孫Gは、長女の代襲相続人でもありますが、相続人としての資格が重複する場合、法定相続人の数は実数としてカウントします(重複カウントしない)。
よって、孫E・GがAの普通養子であった場合、法定相続人は、配偶者である妻B、長男C、二男D、長女の代襲相続人である孫G・H、養子1人分の計6人です。
よって、相続税の基礎控除:3,000万円+600万円×6人=6,600万円 です。
よって正解は、4
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