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2019年2月10日実技part2

2019年2月10日実技part2

part2 問題文

●設 例●
Aさん(71歳)は、首都圏にあるM市内に所有する戸建て住宅(敷地200u、敷地の相続税評価額6,000万円、建物の固定資産税評価額1,000万円)に妻と2人で暮らしている。Aさん夫妻には1人息子がいるが、結婚して自宅を持ち、家族と暮らしている。Aさん夫妻には息子家族と同居する予定はなく、息子もその意向はない。
Aさんは、昨年、長年勤務した会社を退職し、現在は非常勤役員として関連会社に勤めている。Aさんは金融資産を約2億円保有しており、金融機関の担当者からは相続対策の必要性を聞かされているが、これまで何の対策もしていない。先日、金融機関から紹介された不動産会社から相続対策には不動産投資が有効であると言われ、以下の2つの物件の購入を勧められた。

【甲物件:東京都X区にある平成30年竣工の超高層マンションの1戸】
・鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)50階建て、総戸数1,000戸、最寄駅から徒歩5分
・対象の甲物件は30階に所在、専有面積80u、3LDK、販売価格8,000万円
・マンション管理組合に支払う管理費は月額20,000円、修繕積立金は月額6,000円

【乙物件:東京都K市内にある築10年の賃貸アパート】
・軽量鉄骨造2階建て、敷地面積400u、建物延床面積320u、総戸数8戸
・最寄駅から徒歩5分で、近隣には複数の有名大学がある
・物件価格は1億円、1戸平均月額80,000円で7戸賃貸中(1戸空室)
・満室想定利回りは約7.7%(年間賃料総額÷購入価格)

Aさんは、セカンドハウスとして甲物件を購入してもよいのではないかと考えている。また、乙物件を購入し、不動産賃貸業をやってみたいとの気持ちもある。Aさんは、それぞれの物件の購入を検討するにあたり、どのような点を確認・注意しなければならないのか、理解を深めたいと思っている。

(FPへの質問事項)
1.一般に、不動産投資が相続対策に有効であると言われる理由を説明してください。
2.甲物件/乙物件に投資するにあたり、事前に認識しておくべき不動産投資のリスクにはどのようなものがありますか。
3.Aさんに対して、不動産投資を勧めるには、どのようなことを確認・調査すべきですか。以下の(1)および(2)に整理して説明してください。
(1)Aさんから直接聞いて確認する情報
(2)FPであるあなた自身が調べて確認する情報
4.上記1〜3を踏まえ、不動産投資について、Aさんにどのような提案をしますか。
5.本事案に関与する専門職業家にはどのような方々がいますか。

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part2 ポイント解説

1. 不動産投資が相続対策に有効であると言われる理由

預貯金等の金融資産の場合、相続税の計算上は市場価格そのままに評価されるのに対し、不動産はまず相続税路線価として公示価格の8割程度で評価され、さらに土地上に建物が建っていれば、貸宅地や貸家建付地として借地権や借家権分が減額評価される。
加えて、小規模宅地の特例の適用対象であれば、特定居住用は330uを上限に80%減額、特定事業用は400uを上限に80%減額、貸付事業用は200uを上限に50%減額と、大幅に相続税負担が軽減される。

また、預貯金の場合には現状の低金利では利子収入はほとんど期待できないが、不動産投資では賃貸収入を得ることにより、将来の納税資金を準備することも可能となる。

2. 事前に認識しておくべき不動産投資のリスク

●甲物件への投資のリスク
セカンドハウスとして活用する場合、賃貸収入は見込めないため、投資物件としては物件価格自体の値上がり益のみを期待することとなるが、竣工から1年未満の物件であり、通常は今後10〜15年程度は物件価格は下落する傾向にある。
また、高額な物件であることから、管理費や修繕積立金のほか、固定資産税等もそれなりの負担となることが考えられるため、乙物件の賃貸収入でそれらをカバーできるかの試算も必要となる。

●乙物件への投資のリスク
想定されている利回りは満室の場合であり、現在は1戸空室であることから、実際の利回りはこれを下回る。また、諸経費を考慮せず、単に年間収入を総投資額で割って算出する表面利回りであるため、収益不動産における純収益(賃貸収入−諸経費)を考慮したNOI利回り(純利回り)を算出しておくことが必要。
乙物件は、最寄駅からの所要時間や近隣に複数の有名大学がある等の立地条件としては申し分ないが、それだけに現状でも競合する不動産は多いはずであり、大学の撤退等が発生すれば、今後空き室リスクが増大することも大いに考えられる。

3. アドバイスに当たって必要な情報

(1) Aさんから直接聞いて確認する情報
今回の不動産投資でAさんが希望する利回りや、引き受け可能なリスクについて、確認することが必要。
また、Aさんは71歳とやや高齢であり、10〜15年程度で相続が発生する可能性が高いが、妻や息子にとっては、相続税負担の軽減の代わりに物件管理負担が生じることへの確認が必要。

(2) FP自身が調べて確認する情報
顧客が関知していない状況や、忘れている事項がある可能性もあるため、物件の登記簿と、現地の確認を行うことで、所有権・抵当権等の権利状況や土地の物理的状況を、実際に確認することが必要。
また、用途地域・地方自治体の都市計画等を確認し、今後の開発予定・環境変化を把握することが必要。

4. 顧客への不動産投資に関する提案

Aさんは現状で相続対策を何もしておらず、約2億円の金融資産のほとんどを不動産投資に充当するのはリスクが高過ぎると思われる。
相続対策であれば、まずは現状のまま相続が発生した場合の相続税負担を試算した上で、不足する納税資金を生命保険の活用で補い、相続時精算課税や各種生前贈与の特例を活用して相続税負担の軽減を検討し、それでもなお不足する場合には、不動産投資の活用を提案する。

不動産投資を提案する場合にも、値上がり益にのみ期待する甲物件ではなく、賃貸収入が期待できる乙物件のような収益物件を提案し、相続税評価額を抑えながら納税資金の準備も可能となるよう、プランニングすべきである。

5. 関与すべき専門職業家

実物不動産投資における、測量結果に基づく適正な不動産価格・地代、賃料の算定は、不動産鑑定士が適当。
また、不動産収入に関する課税上の取扱いに関する具体的な税務相談については税理士、実物不動産投資を選択した際の登記については司法書士が適当。

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