問31 2019年5月基礎
問31 問題文
法人税における減価償却に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、当期とは2018年4月1日から2019年3月31日までの事業年度であるものとする。
1) 当期において取得した減価償却資産について定率法を選定した場合、耐用年数に応じた定率法の償却率は、耐用年数に応じた定額法の償却率を2倍したもの(200%定率法)とされる。
2) 当期に取得価額が10万円未満または使用可能期間が1年未満の減価償却資産を取得して事業の用に供した場合、青色申告法人ではない法人であっても、当期においてその取得価額の全額を損金経理により損金の額に算入することができる。
3) 前期に取得して事業の用に供し、その取得価額の3分の1相当額を損金の額に算入していた一括償却資産を当期に売却した場合、当期において未償却残高である取得価額の3分の2相当額を損金経理により損金の額に算入することができる。
4) 当期において取得した取得価額が30万円未満の減価償却資産について「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」の適用を受けることができる法人は、中小企業者等で青色申告法人のうち、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人に限られる。
問31 解答・解説
減価償却に関する問題です。
1) は、適切。平成24年4月1日以後、取得した減価償却資産について定率法を選定した場合の償却率は、耐用年数に応じた定額法の償却率の2倍(200%定率法)です。
2) は、適切。使用可能期間が1年未満か、取得価額10万円未満の減価償却資産は、減価償却せずに全額その年度に損金算入または経費計上可能で、青色申告する中小事業者の場合は、少額減価償却資産の特例により、全額その年度に30万円未満まで損金算入または経費計上可能です。
3) は、不適切。10万円以上20万円未満の減価償却資産を取得し、事業用とした場合、原則は資産計上して法定の耐用年数で毎年減価償却費として必要経費や損金に算入しますが、一括償却資産として取得額の3分の1を取得した年分の必要経費や損金に算入(3年間で償却)することも可能です。ただし、償却期間中に除却・売却した場合でも、未償却残高の全額を損金算入できないため、3分の1ずつ損金算入することが必要です。
※除却:使用を中止して倉庫等に保管しておき、帳簿からも除く処理(廃棄するまでは除却損としても計上しない)。
4) は、適切。青色申告する中小事業者の場合は、少額減価償却資産の特例により、全額その年度に30万円未満まで損金算入または経費計上可能ですが、常時使用する従業員数が1,000人以下であることが必要です。
よって正解は、3
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