問32 2019年5月基礎

問32 問題文と解答・解説

問32 問題文

内国法人に係る法人税における役員給与に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1) 役員に対して支給された給与が過大であるかどうかは、支給した法人の業種、資本規模、利益および当該役員の職位によって形式的に判定される。

2) 役員に対する定期給与を、事業年度開始の日から6カ月経過後に開催した臨時株主総会により増額改定した場合、原則として、増額改定後の定期給与は定期同額給与に該当せず、増額改定後に支給した全額が損金不算入となる。

3) 役員に対し、事前確定届出給与としてあらかじめ税務署長に届け出た金額よりも多い金額を役員賞与として支給した場合、原則として、当該役員賞与は事前確定届出給与に該当せず、その支給額の全額が損金不算入となる。

4) 業績連動給与は、業務執行役員に対し、利益の状況を示す指標等を基礎として算定されて支給される給与であり、その支給をする法人が同族会社以外の法人である場合に限り、その支給額を損金の額に算入することができる。

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問32 解答・解説

役員給与に関する問題です。

1) は、不適切。役員給与が過大であると判断されると損金不算入とされますが、過大と判断される基準には、定款や株主総会で定められた支給限度額から判断する形式基準と、支給した法人の業種や資本規模、利益・当該役員の職位等を総合的に判断する実質基準があり、両方の基準を満たす給与額が損金算入されます。

2) は、不適切。役員給与を変更する場合、決算日から3ヶ月以内に、株主総会等で役員の定期給与の変更を決議し、変更後の支給額が各支給時期で同額とすることで、定期同額給与となりますが、3ヶ月を超過した月以降に臨時株主総会等により増額改定した場合、増額分のみが損金不算入となります。

3) は、適切。事前確定届出給与として、事前に税務署長に届け出た金額であれば、役員給与・賞与は損金算入可能ですが、事前の届出よりも多額の役員給与・賞与を支給した場合、超過分だけでなく、年間の支給額全額が損金不算入となります。

4) は、不適切。業績連動給与は、法人(同族法人は非同族法人の完全子会社のみ)が業務執行役員に対して支給する、利益・株価・売上高のいずれかに関する指標を基礎として算定される給与ですが、同族会社以外の法人(非同族法人)が完全支配する同族会社の場合は、業績連動給与を業務執行役員に支給すると、損金算入が可能です。
※以前は「利益連動給与」という名称でしたが、平成29年税制改正により、「業績連動給与」に変わり、上記のように非同族法人による完全支配関係がある場合は業績連動給与として損金算入が可能になり、算定指標に株価や売上高が追加されました。
給与額が業績と連動するため、利益の算出に関して役員による裁量が大きくなる単なる同族会社では利用できませんが、全く別の会社に完全支配されている場合は、親会社の裁量が大きくなるため、業績連動給与が利用できます。

よって正解は、3

問31      問33

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