問34 2019年5月基礎

問34 問題文と解答・解説

問34 問題文

不動産の登記に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。

1) 登記事項要約書は、登記記録に記録されている事項の概要が記載され、登記官による認証文や職印が付された書面であり、誰でもその交付を請求することができる。

2) 権利に関する登記を申請する場合、申請人は、その申請情報と併せて、登記原因を証するものとして登記識別情報を提供しなければならない。

3) 地目または地積について変更があったときは、表題部所有者または所有権の登記名義人は、その変更があった日から1カ月以内に、当該地目または地積に関する変更の登記を申請しなければならない。

4) 売主から不動産を購入した買主がその所有権移転登記をする前に、第三者が当該売主から当該不動産を購入して所有権移転登記をした場合、第三者が当初の売買があった事実を知らなかったときは、当初の買主は第三者に対して所有権の取得を対抗することができる。

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問34 解答・解説

不動産の登記に関する問題です。

1) は、不適切。登記記録要約書には現在の権利だけが記載されており、過去の権利の発生・移転・消滅等の詳細記録は記載されず、登記官の認証文言がないため、公的な証明機能はありません(登記事項証明書と同様に、交付請求は手数料を納付すれば誰でも可能)。
※登記記録のコンピュータ化により、登記簿の閲覧ができなくなったことから、代わりに登記記録要約書が法務局で交付されるようになりました。

2) は、不適切。不動産登記のうち、権利に関する登記を申請する場合には、登記原因を証するものとして、売買契約書等の登記原因証明情報の提供が必要です。
なお、登記識別情報は、不動産登記の申請をした名義人に対して、登記名義人を識別するために法務局から通知されるものです。

3) は、適切。地目や地積に変更があった場合、土地の所有者は1ヶ月以内に地目または地積に関する変更の登記を申請することが必要です。
例えば、農地に宅地にしてマンションを建てた場合には地目変更登記、隣地との境界確定で土地の面積が公簿面積よりも増減した場合には、地積変更登記が必要となります。

4) は、不適切。民法上、売主が複数の相手に同じ物件を譲渡すること(二重譲渡)は可能ですが、譲渡を受けた側は、代金支払いの後先に関係なく、先に登記したほうが所有権を取得することになります。
よって、先に代金を支払っても、第三者に所有権移転登記されてしまうと、対抗(自分のものだと主張)できません

よって正解は、3

問33      問35

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