問29 2019年9月基礎
問29 問題文
下記の〈資料〉から算出される期末棚卸資産の評価額に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
〈資料〉
(注1)期中に販売した棚卸資産の対価の総額は、28,000,000円である。
(注2)期末棚卸資産の通常の販売価額の総額は、10,500,000円である。
1) 棚卸資産の期末評価の方法として先入先出法を選定していた場合、期末棚卸資産の評価額は、8,600,000円となる。
2) 棚卸資産の期末評価の方法として総平均法を選定していた場合、期末棚卸資産の評価額は、8,511,000円となる。
3) 棚卸資産の期末評価の方法として最終仕入原価法を選定していた場合、期末棚卸資産の評価額は、9,000,000円となる。
4) 棚卸資産の期末評価の方法として売価還元法を選定していた場合、期末棚卸資産の評価額は、8,400,000円となる。
問29 解答・解説
事業所得を算出する際の棚卸資産の期末評価に関する問題です。
1) は、適切。棚卸資産の期末評価の方法のうち、先入先出法は、先に仕入れた商品から先に販売すると仮定して計算するものです。
よって9月9日の売上分5,000個のうち、3,000個は前期繰越分、2,000個分は5月27日仕入れ分となります(5月27日仕入れ分の残りは2,000個)。
同様に3月2日の売上分3,000個のうち、2,000個は5月27日仕入れ分の残り全て、1,000個は7月8日仕入れ分となります(8月7日仕入れ分の残りは1,000個)。
よって、期末棚卸資産の評価額の計算は、以下の通りです。
7月8日仕入れ分:2,600円×1,000個=2,600,000円
12月2日仕入れ分:3,000円×2,000個=6,000,000円
期末棚卸資産の評価額:2,600,000円+6,000,000円=8,600,000円
2) は、不適切。棚卸資産の期末評価の方法のうち、総平均法は、期首棚卸高と期中受入高の合計を数量で加重平均して単価を算出するものです。
よって、期末棚卸資産の評価額の計算は、以下の通りです。
期首棚卸数量と期中取得棚卸資産数量の合計:3,000個+4,000個+2,000個+2,000個=11,000個
期首棚卸高と期中受入高の合計:8,400,000円+11,200,000円+5,200,000円+6,000,000円=30,800,000円
期末棚卸資産の評価額:30,800,000円/11,000個×期末数量3,000個=8,400,000円
3) は、適切。棚卸資産の期末評価の方法のうち、最終仕入原価法は、最終仕入時の単価を、商品在庫に乗じて計算するものです。
よって、期末棚卸資産の評価額の計算は、以下の通りです。
期末棚卸資産の評価額:3,000円×期末数量3,000個=9,000,000円
4) は、適切。棚卸資産の期末評価の方法のうち、売価還元法は、全体の原価率を期末棚卸資産の販売価額の総額に乗じて計算するものです。
よって、期末棚卸資産の評価額の計算は、以下の通りです。
全体の原価率=(期首評価額+期中の取得価額)/(期中売上棚卸資産の販売価額+期末棚卸資産の通常の販売価額)
=(8,400,000円+11,200,000円+5,200,000円+6,000,000円)/(28,000,000円+10,500,000円)
=30,800,000円/38,500,000円
=80%
期末棚卸資産の評価額:10,500,000円×80%=8,400,000円
よって正解は、2
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