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2019年10月6日実技part2

2019年10月6日実技part2

part2 問題文

●設 例●
Aさん(67歳)は、首都圏近郊にあるM市内の実家において、妻Bさん(60歳)と母親の3人で暮らしていたが、今年2月に母親が88歳で他界し、現在は2人暮らしである。Aさん夫妻の一人娘である長女Cさん(30歳)は、東京の大学を卒業後、大手製薬メーカーに就職し、会社の同僚である夫と東京郊外の社宅で暮らしている。

【Aさんの資産および収入の状況】
i)預貯金8,000万円、年金収入月額35万円(企業年金を含む)
ii)現在住んでいる実家の敷地(地積300u、相続税評価額3,000万円)
iii)以前住んでいた東京都Y市内のマンション
・RC造13階建ての9階、3LDK(85u)、1997年築
・総戸数170戸、最寄駅から徒歩5分
・新築時に購入、購入価格9,000万円(借入金はない)、売却見込価格8,500万円
・現在は賃貸中だが、賃借人からは来月に退去したいとの申入れあり

【二世帯住宅の建築と家族の意向】
Aさんの実家は、先祖代々の土地に亡父が40年前に建築したもので、2人で暮らすには大きすぎる。Aさん夫妻は、Aさんが60歳で定年退職するまでの間、東京都Y市内のマンションで暮らしていたため、都内での生活に愛着がある。
Aさんは、東京都内の土地を購入し、二世帯住宅を建築することを妻Bさんと長女Cさんに相談したところ、妻Bさんは賛成し、長女Cさんは「今は会社までの通勤時間が長く、23区内に住むことができれば助かる。お母さんと一緒に暮らすことができれば、安心して働くことができる」と喜んでいる。

【土地の取得費用と建築資金の調達】
Aさんが、友人の不動産会社のD社長に相談したところ、D社長から「東京都X区にある甲土地が7,000万円で売りに出ている。甲土地は路地状敷地(旗竿地)の形状であるが、住宅地として人気のエリアだし、娘さん夫婦の通勤にも便利じゃないか」と甲土地を勧められた。Aさんは、東京都Y市内のマンションの売却資金と預貯金の一部を、二世帯住宅用の土地の取得費用と建物の建築資金に充てることを考えている。長女Cさんからは建築資金を負担したい旨の申出を受けている。なお、Aさんは、母親の相続により取得した実家(現在の自宅)はそのままにして、セカンドハウスのように利用したいと考えている。

Aさんは、甲土地を取得して二世帯住宅を建築することについて、どのような点に注意すべきか、FPであるあなたに相談することにした。

(FPへの質問事項)
1.Aさんに対して、最適なアドバイスをするためには、どのようなことを確認・調査すべきですか。以下の(1)および(2)に整理して説明してください。
(1)Aさんから直接聞いて確認する情報
(2)FPであるあなた自身が調べて確認する情報
2.甲土地に建物を建築するにあたり、注意すべき点を挙げてください。
3.二世帯住宅の取得にあたり、課税上の論点を教えてください。
4.本事案に関与する専門職業家にはどのような方々がいますか。

【甲土地の概要】


【Aさんが希望する二世帯住宅の概要】
・Aさん夫妻の住居として、80u程度は確保したい。
・長女Cさん夫妻の住居として、将来家族が増えることを考慮して80u以上を確保したい。
・駐車場として2台分のスペースがほしい。
・土地の取得費用・建物の建築資金、その他費用を含めた予算は1億円程度を想定している。

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part2 ポイント解説

1. アドバイスに当たって必要な情報

(1) Aさんから直接聞いて確認する情報
長女Cさんからは建築資金の負担の申し出があるが、Aさんとしてどのように考えているかや、また長女Cさんの夫が本件についてどのように考えているかを確認しておくことが必要。
また、セカンドハウスとしての利用を想定している実家については、民泊等で一時的に貸し出す活用方法も想定できるため、Aさんに活用に関する意欲を確認しておきたい。

(2) FP自身が調べて確認する情報
顧客が関知していない状況や、忘れている事項がある可能性もあるため、物件の登記簿と、現地の確認を行うことで、所有権・抵当権等の権利状況や土地・建物の物理的状況を、実際に確認することが必要。
また、甲土地が旗竿地であることから、2階建てを建築した場合の1階部分の日当たりが十分なものであるかや、東京都の建築安全条例等における路地状部分の長さ・幅の規制を確認する。

2. 甲土地に建物を建築する際の注意すべき点

Aさん夫妻と長女Cさん夫妻の希望する床面積は、それぞれ約80uであるが、甲土地の絶対高さ制限や北側斜線制限を考慮すると、3階建ては難しく、2階建てとなることが想定される。
この場合、年齢を考慮すると1階をAさん夫妻、2階を長女Cさん夫妻のスペースとすることが望ましいと思われるが、玄関や浴室等を共用とするのか、完全分離型とするのかで、必要とする床面積が大きく異なる。
1階に玄関や浴室等を集約して共用とすることで、2階の長女Cさん夫妻のスペースは、将来の家族数の増員にも対応しやすくなると思われるが、課税上の2世帯住宅の定義からは外れてしまい、優遇の対象外となる。

また、駐車場として2台分のスペースを希望しているが、土地の形状を考慮すると、駐車スペースは間口2.5mの通路部分となり、縦列で2台駐車することが必要となる。
間口2.5mは幅としてかなり狭いため、日常的な利用の際はそれなりに手間がかかり、また駐車しやすい車種も限られることにも注意が必要と思われる。また、自転車等も利用する場合には、通路部分を駐車している自動車に注意しながら通り抜ける必要がある。

3. 二世帯住宅の取得における課税上の論点

将来的な相続を考慮した場合、小規模宅地の特例は、二世帯住宅については内部が独立していても適用可能であり、また単独所有の建物(子の単独所有も含む)の場合やそれぞれの持分を共有登記した場合には、敷地全てに適用される。ただし、それぞれの居住部分を区分建物所有登記し、親子が別生計の場合には、敷地全てについて特例が適用されない
本問の場合、長女Cさんが建築資金を負担したい旨を申し出ており、申し出を受けるならば、建物の名義については長女Cさん単独名義にしておくことが必要と思われる。

また、直系尊属からの住宅取得等資金贈与の非課税制度の活用により、Aさんが建築資金を支援することで、一定額まで贈与税を非課税にして長女Cさん夫妻の負担を軽減することも可能。

4. 関与すべき専門職業家

甲土地の購入とマンションの売却における、土地の所有権移転登記等については司法書士課税上の取扱いに関する具体的な税務相談については税理士、不動産売買の媒介等の宅地建物取引業法に規定する業務に該当するものについては、不動産業者やデベロッパーが適当。

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