問57 2020年1月応用
問57 問題文
個人事業の法人成りに関する以下の文章の空欄(1)〜(6)に入る最も適切な数値を、解答用紙に記入しなさい。
I 個人事業の場合、通常、利益は事業所得として他の所得と合算して最高45%の超過累進税率による所得税の課税対象となるが、法人に課される法人税は、会社の形態を問わず、原則として比例税率となる。2019年4月1日以後に開始する事業年度において、資本金の額が1億円以下の中小法人(一定の大法人に完全支配されている法人等を除く)に対する法人税の税率は、年800万円以下の所得金額からなる部分の金額については( 1 )%とされ、年800万円超の所得金額からなる部分の金額については( 2 )%とされる。また、法人成りは、法人と個人の所得分散により、税制面で有利となる場合がある。
他方、個人事業の場合、支出した交際費のうち、業務の遂行上直接必要と認められるものについては、事業所得の金額の計算上、その支出額の全額を必要経費に算入することができるが、法人税においては、損金の額に算入することができる限度額が設けられている。資本金の額が1億円以下の中小法人(一定の大法人に完全支配されている法人等を除く)の場合には、その事業年度において支出した交際費のうち、一定の接待飲食費の額の( 3 )%相当額または年( 4 )万円を限度として損金の額に算入することができる。
II 株式会社(内国法人である普通法人)を設立する場合、設立の登記をして初めて法人格を得ることができる。また、設立の日以後( 5 )カ月以内に、定款等の写し等を添付した「法人設立届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要があり、設立第1期目から青色申告の承認を受けようとする場合には、設立の日以後( 6 )カ月を経過した日と設立第1期の事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までに、「青色申告の承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要がある。
問57 解答・解説
法人税の仕組み・法人設立時の各種届出に関する問題です。
I 法人税は比例税率で23.2%、資本金1億円以下の中小法人の場合は所得金額800万円まで15%です(2018年4月1日以後に開始する事業年度より)。
また、資本金1億円超の法人は、交際費のうち、飲食用の支出の50%まで損金算入可能で、資本金1億円以下の法人は、交際費のうち800万円まで、または飲食用の支出の50%までは損金算入することができます(有利な方を選択可能)。
II 法人を設立したら、設立後2ヶ月以内に、定款等の写し・設立時の貸借対照表・株主名簿・設立趣意書等を添付した「法人設立届出書」を納税地の所轄税務署に提出することが必要です。
設立の登記事項証明書については、以前は添付が求められていましたが、平成29年4月1日以降、手続き簡素化により添付不要となりました。
また、法人の場合、青色申告の承認申請期限は、通常青色申告する事業年度開始日の前日までですが、新設法人の青色申告承認申請は、法人設立から3ヶ月以内、もしくは第1期目の事業年度の終了日のうち、いずれか早い日の前日までに、青色申告承認申請書を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。
つまり、新しく会社を作って青色申告したいなら、3ヶ月以内か、最初の決算日のうち、早い方の前日が提出期限、ということです。
以上により正解は、(1)15.0(%) (2)23.2(%) (3)50(%) (4)800(万円)
(5)2(カ月) (6)3(カ月)
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