問59 2020年1月応用

問59 問題文と解答・解説

問59 問題文

前問《問58》を踏まえ、Aさんの2019年分の所得税および復興特別所得税の申告納税額を計算した下記の表の空欄(1)〜(6)に入る最も適切な数値を求めなさい。空欄(6)については、100円未満を切り捨てること。
なお、Aさんの2019年分の所得控除の合計額を400万円とし、配当控除の適用を受けるものとする。また、記載のない事項については考慮しないものとし、問題の性質上、明らかにできない部分は「□□□」で示してある。



〈資料〉所得税の速算表

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問59 解答・解説

所得税の申告納税額に関する問題です。

所得税の申告納税額を計算するには、まずその人の総所得金額を計算する必要がありますが、総所得金額は、大雑把に言うと、総合課税の所得を合計し、損益通算した後の金額です。

本問では、事業所得と不動産所得、配当所得(非上場株式の配当金)、一時所得(一時払変額個人年金保険の解約返戻金)は全て総合課税の対象です。
非上場株式の配当金は、原則として総合課税の対象で、受取時に税率20.42%の所得税・復興特別所得税が源泉徴収されます(地方税は天引きされない)。
一時払の養老保険や個人年金保険・変額個人年金などを契約から5年以内に解約(満期による契約満了含む)した場合、金融類似商品として受取差益に20.315%の源泉分離課税となります(復興特別所得税を含む)。
本問の場合、契約から解約まで5年超であるため、受け取った解約返戻金は、一時所得の収入として総合課税の対象です。
さらに、一時所得は、総所得金額を算出する際に、その2分の1が合算対象です。

事業所得は既に分かっていますから、まずは不動産所得を計算します。
不動産・事業・山林・譲渡所得の損失は、給与所得や一時所得等の他の所得と損益通算できます。
ただし、不動産所得の損失のうち、土地取得に要した負債の利子相当部分は、他の所得と損益通算できません(建物取得用なら損益通算可)。
つまり、借金して土地を購入した場合、その年は収入より支出が上回って不動産所得が損失となっても、借金の利子分は損益通算の対象外ということです。
青色申告していると、不動産所得=不動産収入−必要経費−青色申告特別控除 ですが、Aさんは事業所得の算出時に最高65万円の青色申告特別控除を使い切っているため、不動産所得からは控除できません。
よって、不動産所得=720万円−750万=▲30万円のうち、土地の借金の利子分42万円は損益通算の対象外ですので、損益通算の対象となる不動産所得の損失は発生しません。

次に、配当所得=源泉徴収前の配当収入−株式等取得用の借入金の利子 ですが、本問の場合は借入金の利子はないため、配当所得=60万円です。

また、一時所得=収入額−収入を得るために支出した額−特別控除50万円 ですので、
一時所得=370万円−300万円−特別控除50万円=20万円

よって、
総所得金額=事業所得+不動産所得+配当所得+一時所得×1/2
     =1,720万円+0円+60万円+20万円×1/2=1,790万円

次に、課税総所得金額、算出税額を計算して求めます。
課税総所得金額=総所得金額1,790万円−所得控除合計400万円=1,390万円
算出税額=課税総所得1,390万円×33%−153.6万円=305.1万円

ここで、株式等の配当控除額は、配当所得額×10%で、課税総所得金額等が1,000万円超の場合は、1,000万円超部分については配当所得額×5%です。
本問の場合、課税総所得金額1,390万円のうち配当所得60万円ですので、配当所得は全額1,000万円超部分として、控除率5%となります。
よって配当控除額=60万円×5%=3万円

配当控除は、法人税と所得税の二重課税を避けるため、一定額を算出税額から控除する税額控除ですので、先程の算出税額から差し引くことが可能です。
よって差引所得税額(基準所得税額)=305.1万円−3万円=302.1万円
さらに、復興特別所得税は、所得税額の2.1%です。
復興特別所得税=302.1万円×2.1%=63,441円
所得税と復興特別所得税の合計=302.1万円+63,441円=308万4,441円

ここで、源泉徴収済みの所得税・復興特別所得税は算出税額から控除できますが、本問では配当所得が源泉徴収の対象です。
前述の通り、非上場株式の配当金は、受取時に税率20.42%の所得税・復興特別所得税が源泉徴収されています。
源泉徴収済みの所得税・復興特別所得税=60万円×20.42%=12万2,520円

よって申告納税額=308万4,441円−12万2,520円=296万1,921円
→296万1,900円(100円未満切捨て)

以上により正解は、(1)17,900,000(円) (2)3,051,000(円) (3)30,000(円)
(4)63,441(円) (5)122,520(円) (6)2,961,900(円)

問58          第4問

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