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2020年2月9日実技part2

2020年2月9日実技part2

part2 問題文

●設 例●
Aさん(62歳)は、東京都内の持家で妻(62歳)との2人暮らしである。Aさんの母親B さん(85歳)は、首都圏のK市内にある大手企業が運営する介護付有料老人ホームに入居し ている。Aさんの父親は2年前に他界し、母親Bさんは、夫の他界後、1年間はK市内の自 宅で1人暮らしをしていたが、1年前に老人ホームに転居した。

【母親Bさんの資産および収入の状況】
母親Bさんは意思能力に問題はなく、健康である。老人ホームの暮らしを満喫しながら、 月に1度のペースで自宅に戻り、掃除や手入れ等を行っている。老人ホームの入居一時金 3,000万円は夫の相続財産である預貯金を充当し、毎月の管理費・食費16万円は公的年金で 賄っている。その他の生活費は、預貯金を取り崩しながら生活をしている。
i)預貯金1億1,000万円(現在の残高)、公的年金月額20万円(遺族年金を含む)
ii)自宅の敷地(地積300u、相続税評価額6,000万円)
iii)自宅の建物(築42年、木造、固定資産税評価額500万円)

【Aさんおよび母親Bさんの意向】
父親の相続時、母親Bさんに相続税が課されることはなかったが、金融資産8,000万円を 取得したAさんは相応の相続税額を納付した。Aさんは、母親Bさんの生前に何らかの相続 対策を行いたいと考え、母親Bさんに相談したところ、以下のような意向を聞かされた。
(母親Bさんの意向)
(1)先日、金融機関から紹介された不動産会社から相続対策にはタワーマンションの購入 が有効であると言われ、M不動産のタワーマンションを勧められた。毎月の家賃収入が 入れば、預貯金を取り崩さずに生活ができるので、精神的に気楽になる。
(2)今春、孫Cさん(Aさんの長男)夫妻に第1子が誕生する。孫Cさんからは、住宅の 購入を検討していることを聞いた。資金援助をしてあげたいと思っている。

(母親Bさんが勧められた東京都X区内のM不動産のタワーマンションの概要)
・鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)50階建て、総戸数700戸、最寄駅から徒歩5分
・築7年、40階に所在、専有面積70u、2LDK、価格8,000万円 ・想定賃料月額28万円、諸経費控除後の年間の収入(手取り)は210万円
・マンション管理組合に支払う管理費は月額20,000円、修繕積立金は月額8,000円

Aさんは、母親Bさんの意向を尊重しつつ、有効な相続対策を実行したいと思い、FPで あるあなたに相談することにした。なお、母親Bさんの推定相続人は、Aさん1人である。

(FPへの質問事項)
1.Aさんに対して、最適なアドバイスをするためには、示された情報のほかに、どのよ うな情報が必要ですか。以下の(1)および(2)に整理して説明してください。
(1)Aさんから直接聞いて確認する情報
(2)FPであるあなた自身が調べて確認する情報
2.タワーマンションの購入(不動産投資)が相続対策に有効であるとは、どのような意 味ですか。また、タワーマンションの購入(不動産投資)にあたり、事前に認識して おくべきリスクは何ですか。
3.母親Bさんの意向を踏まえて、どのようなアドバイスをしますか。
4.本事案に関与する専門職業家にはどのような方々がいますか。

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part2 ポイント解説

1. アドバイスに当たって必要な情報

(1) Aさんから直接聞いて確認する情報
孫Cさんは住宅購入の予定があるが、Cさん本人が資金援助を受け入れるかや、またCさんの妻が本件についてどのように考えているかを確認しておくことが必要。
また、母親Bさんは老人ホームにおけるその他の生活費について、預貯金を取り崩しながら生活しているが、具体的な金額を確認し、運用が必要な状況かどうかや、タワーマンションによる運用が適当であるかの検討が必要。

(2) FP自身が調べて確認する情報
顧客が関知していない状況や、忘れている事項がある可能性もあるため、物件の登記簿と、現地の確認を行うことで、所有権・抵当権等の権利状況や土地・建物の物理的状況を、実際に確認することが必要。
本件の場合、特に金融機関から購入を提案されたタワーマンションの、現在の相続税評価額や今後の資産価値・収支予測について、不動産業者等の協力を仰ぎながら確認することが必要。

2. タワーマンションによる相続税対策のメリット・デメリット

タワーマンションとは、一般的には、階数20階以上で高さ60m以上のマンションのことで、高額物件が多いことが特徴である。
タワーマンションでは、眺望や日照により高層階ほど高額(時価)となるが、建物の相続税評価額=固定資産税評価額×1.0であり、固定資産税評価額では眺望は考慮されないため、時価評価よりも低い相続税評価額となり、節税効果が見込める。また、土地に関してもタワーマンションは大規模戸数であり、戸数が多いほど敷地全体の綿製における持分割合が少なくなり、小規模なマンションよりも低い相続税評価額となる。

ただし、現在国税庁で課税強化を検討しているため、将来の相続発生時には見込んでいた節税効果が得られない可能性も想定される。
※以前は固定資産税についても割安であったが、2017年税制改正により、上層階の固定資産税の方が下層階より高額となっており、今後相続税に関しても課税強化のリスクは残る。

また、不動産投資の一環として取得する場合には、空き室リスクや管理費・修繕積立金の上昇リスクも考慮しておくことが必要。

3. 母親Bさんの意向を踏まえたアドバイス

将来的な相続を考慮した場合、現状ではそれなりの相続税の負担が発生することが想定されるため、タワーマンションの購入は相続税対策と投資収益獲得の一環として有効である。
ただし、多額の投資であり、空き室リスク・管理費・修繕積立金の上昇リスク・資産価値の下落リスクも考慮することが必要であることから、まずは現状の預貯金を取り崩し額を把握し、公的年金以外で今後必要となる収入額を把握することを勧める。

それらを踏まえた上で、生命保険や暦年贈与も活用しながら相続税対策を実施し、必要な資産運用として他の不動産投資や証券投資等との比較検討を行うことをアドバイスする。

また、直系尊属からの住宅取得等資金贈与の非課税制度の活用により、母親Bさんが購入資金を支援することで、一定額まで贈与税を非課税にして孫Cさん夫妻の負担を軽減することも可能。

4. 関与すべき専門職業家

タワーマンションの購入における、土地・建物の所有権移転登記等については司法書士課税上の取扱いに関する具体的な税務相談については税理士、不動産売買の媒介等の宅地建物取引業法に規定する業務に該当するものについては、不動産業者やデベロッパーが適当。

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