問11　2020年9月実技（資産設計）

清さんが特定口座（源泉徴収選択口座）で保有する国内公募追加型株式投資信託のひとつ（保有口数：８８万口）が２０２０年９月中に決算（年１回）を迎え、収益分配金が支払われることになった。決算日の基準価額等が下記＜資料＞のとおりである場合、清さんが受け取る税引後の分配金の金額（所得税および住民税を控除した後の金額）として、正しいものはどれか。なお、復興特別所得税については考慮しないものとし、税額の計算過程で端数が生じた場合は円未満を切り捨てること。

＜資料＞

※＜資料＞に記載されている金額は、１万口当たりの金額である。

１．１７６,０００円

２．１６２,０９６円

３．１５４,７０４円

４．１４０,８００円

投資信託の収益分配金に関する問題です。

まず、分配前の個別元本＝12,022円　です。
さらに、分配後の基準価額＝収益分配金支払前の基準価額−収益分配金　で表せます。

ここで、「分配後の基準価額＞分配前の個別元本」の場合、「分配後の個別元本＝分配前の個別元本」となり、収益分配金すべてが普通分配金となり課税対象です。
反対に「分配後の基準価額＜分配前の個別元本」の場合、「分配後の個別元本＝分配前の個別元本−元本払戻金（特別分配金）」となり、元本払戻金（特別分配金）は非課税です。
※元本払戻金（特別分配金）＝分配前の個別元本−分配後の基準価額

よって、分配後の基準価額＝12,812円−2,000円＝10,812円　となり、
分配後の基準価額10,812円＜分配前の個別元本12,022円　となります。

ここで、普通分配金＝分配前の基準価額−分配前の個別元本　ですので、
普通分配金＝12,812円−12,022円＝790円
元本払戻金（特別分配金）＝収益分配金−普通分配金＝2,000円−790円＝1,210円

普通分配金は税率20%（所得税15%＋地方税5%）で、元本払戻金（特別分配金）は非課税ですから、
分配金の税引後手取金額＝790円×(1−0.2)＋1,210円＝1,842円

さらに、ここまでは全て1万口当たりの数字で計算しており、清さんの保有口数は88万口ですから、
88万口分の分配金の税引後手取金額＝1,842円×88＝162,096円

以上により正解は、２． １６２,０９６円

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