問9 2021年1月基礎
問9 問題文
生命保険会社の健全性・収益性に関する指標等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1) 基礎利益は、保険会社の基礎的な期間損益の状況を表す指標であり、経常利益から有価証券売却損益などの「キャピタル損益」と危険準備金繰入額などの「臨時損益」を除いて算出される。
2) EV(エンベディッド・バリュー)は、保険会社の企業価値を表す指標であり、保険会社の本業の利益を表す「基礎利益」と保有契約から将来的にもたらされる利益を表す「保有契約価値」を合計して算出される。
3) ソルベンシー・マージン比率は、保険会社が有する保険金等の支払余力を表す指標であり、この値が200%を下回った場合には、金融庁による業務改善命令などの早期是正措置の対象となることがある。
4) 実質純資産額は、有価証券や有形固定資産の含み損益などを反映した時価ベースの資産の合計から、価格変動準備金や危険準備金などの資本性の高い負債を除いた負債の合計を差し引いて算出され、この値がマイナスとなった場合には、金融庁による業務停止命令の対象となることがある。
問9 解答・解説
生命保険会社の健全性・収益性に関する指標に関する問題です。
1) は、適切。基礎利益は、生命保険会社の本業の利益を表す指標で、経常利益からキャピタル損益(有価証券売却損益等)と臨時損益(危険準備金繰入額等)を除いて算出されます。
2) は、不適切。エンベディッド・バリュー(EV)は、生命保険会社の株主に帰属する企業価値をあらわす指標で、貸借対照表等から計算される「修正純資産」と、保有契約に基づき計算される「保有契約価値」を合計して算出されます。
3) は、適切。ソルベンシー・マージン比率は、200%を超えていれば、リスクに対する支払余力が十分にあるとされますが、下回ると金融庁による早期是正措置の対象となります。
4) は、適切。実質純資産額は、有価証券や有形固定資産の含み損益などを反映した時価ベースの資産の合計から、価格変動準備金や危険準備金等の資本性の高い負債を除いた負債の合計を差し引いて算出され、実質純資産額がマイナスになると、実質的な債務超過と判断され、金融庁による業務停止命令の対象となることがあります。
よって正解は、2
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