問28 2021年1月基礎
問28 問題文
居住者に係る所得税の青色申告に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1) 白色申告者が死亡し、その業務を承継した相続人が、承継後の期間に係る所得税について青色申告書を提出する場合、原則として、その相続の開始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に「青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
2) 事業所得を生ずべき業務を営む青色申告者が、「棚卸資産の評価方法の届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなかった場合、売上原価に計上する棚卸資産の期末評価額の評価方法は、総平均法による原価法となる。
3) 青色申告者が不動産所得を生ずべき業務と事業所得を生ずべき業務のいずれも営む場合、貸借対照表はそれぞれの業務に係るものの区分ごとに各別に作成し、損益計算書は2つの業務に係るものを合併して作成することとされている。
4) 青色申告者が、その年分以後の各年分の所得税について青色申告書の提出をやめようとするときは、原則として、やめようとする年の翌年3月15日までに「青色申告の取りやめ届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。
問28 解答・解説
青色申告に関する問題です。
1) は、不適切。白色申告の事業を相続した場合、承継後の期間における所得税の青色申告するためには、その事業を承継した日から2ヶ月以内に青色申告承認申請書を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。
2) は、不適切。青色申告の特典として、棚卸資産の評価方法の低価法選択(取得原価と時価を比較していずれか低い価額を棚卸資産の期末評価額とする)があります。
これにより、売却前に、資産の時価減少を損益に反映することができるというメリットがあります。
よって、低価法を選択するための「所得税の棚卸資産の評価方法の届出書」を提出しなかった場合、棚卸資産の評価方法は、法定の「最終仕入原価法」で算出した取得価額による原価法が適用されます。
3) は、不適切。不動産所得・事業所得・山林所得のうち2つ以上の所得がある青色申告者は、損益計算書はそれぞれ別々に作成しますが、貸借対照表は全体を合算して作成することが必要です。
4) は、適切。青色申告をやめる場合には、やめようとする年の翌年3月15日までに「青色申告の取りやめ届出書」を納税地の所轄税務署長に提出することが必要です。
つまり、2020年分の確定申告が青色では2021年3月15日の申告期限に間に合わなそうな場合、2020年分を白色で申告し、同時に2020年分から青色の取りやめ届出書を提出することが、2021年3月15日まで可能というわけです。
よって正解は、4
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