問43 2021年1月基礎
問43 問題文
次の各ケースのうち、受贈者が2020年分の贈与税の申告をしなければならないものはいくつあるか。なお、記載のない事項については考慮しないものとする。
(a) 2019年中に祖父から500万円の贈与を受けて「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を受けた受贈者が、2020年中に当該教育資金管理契約に係る非課税拠出額から200万円の教育資金を支出した場合
(b) 2019年中に父から500万円の贈与を受けて相続時精算課税の適用を受けた受贈者が、2020年中に父から100万円の贈与を受けた場合
(c) 2020年中に父から500万円の贈与を受けた受贈者が、同年中にその全額を充当して住宅用家屋を取得し、「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税」の適用を受ける場合
(d) 2020年10月に死亡した父から同年2月に500万円の贈与を受けていた受贈者が、父の相続により財産を取得したが、相続税の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下であり、相続税の申告書を提出しない場合
1) 1つ
2) 2つ
3) 3つ
4) 4つ
問43 解答・解説
贈与税の申告に関する問題です。
(a) は、申告不要です。教育資金の非課税特例を受けるには、受贈者が、教育資金として支出した際の領収書等を取扱い金融機関に提出することが必要ですが、贈与税の申告は不要です(教育資金の非課税特例は基本的に金融機関とのやり取りだけで適用され、資金の入金や払い出しに税務署での手続きは不要です)。
(b) は、申告が必要です。相続時精算課税の適用を受けると、特別控除2,500万円までの贈与には贈与税がかかりませんが、贈与額の累計が2,500万円以内であっても贈与税の申告が必要です。なお、暦年課税の基礎控除110万円も適用されませんので、その年の特定贈与者からの贈与額が110万円以下でも申告が必要です。
(c) は、申告が必要です。直系尊属からの住宅取得資金の贈与の非課税を受けるには、贈与年の翌年2月1日から3月15日までに、贈与税の申告書を一定の添付書類(戸籍謄本・住民票の写し・登記事項証明書・契約書の写し等)とともに、納税地の所轄税務署長に提出することが必要です(納付税額がゼロとなる場合も含む)。
(d) は、申告不要です。贈与者が贈与をした年に死亡した場合、受贈者が相続・遺贈により財産を取得した場合には、贈与された財産を相続税の課税価格に加算して計算するため、贈与税の申告は不要です。なお、相続・遺贈により財産を取得しなかった場合は、贈与税の基礎控除110万円を超えると、贈与税の申告が必要です。
よって正解は、2
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