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2021年2月7日実技part2

2021年2月7日実技part2

part2 問題文

●設 例●
Aさん(65歳)は、首都圏M市内(既成市街地等の地域内)の自宅で妻Bさん(63歳)と2人暮らしである。2人の子(長男・二男)は、各々結婚して東京都区内にマンションを所有し、実家に戻る予定はない。

【甲土地の概要】
Aさんは、自宅のほかに、M市駅前商店街に所在する飲食店の建物(現況:空き店舗)およびその敷地である甲土地(地積300u)を所有している。
・Aさんが先代の父親から2005年2月に相続により取得し、飲食店を経営してきたが、父親の創業から50年目の節目にあたる2020年9月に閉店した。
・築51年の建物は老朽化が著しく、創業当初の給排水設備であった井戸と浄化槽(地中に埋設されている)は、現在は使用していないが、撤去もしていない。

【Aさん夫妻の資産承継と老後の生活設計】
Aさん夫妻は、甲土地の価値を活用した不動産賃貸業により老後の生計を立てたいと考えている。将来、2人の子に賃貸物件を遺してあげることができればと思っている。
Aさんは、先日、不動産業者のX社とY社から提案を受けた。借入金による事業リスクや2人の子に承継する際のことを考えると、両社の提案に問題はないか、慎重に判断したいと思い、FPに相談することにした。

【X社の提案内容】
・Aさんの自宅を売却のうえ、甲土地に店舗併用マンションを建築し、その一部をAさん夫妻の自宅とする。
・RC造5階建て、延床面積900u、有効面積800u(自宅部分80u・賃貸部分720u)
・建設費3億円(自宅の売却代金4,000万円、自己資金6,000万円、借入金2億円)
・年間の純収益1,390万円/返済額1,272万円(借入期間20年・金利2.5%、元利均等返済)

【Y社の提案内容】
・甲土地を売却し、M市内と東京都Z区内の賃貸マンション2棟に買い換える。

・M市内のマンション(RC造3階建て、築2年、満室稼働中)
i)購入価額2億円(甲土地の売却代金1億円、借入金1億円)
ii)土地300u、建物450u
iii)年間の純収益780万円/返済額636万円(借入期間20年・金利2.5%、元利均等返済)

・東京都Z区内のマンション(RC造5階建て、築1年、満室稼働中)
i)購入価額2億円(甲土地の売却代金1億円、借入金1億円)
ii)土地150u、建物540u
iii)年間の純収益980万円/返済額636万円(借入期間20年・金利2.5%、元利均等返済)

(FPへの質問事項)
1.Aさんに対して、最適なアドバイスをするためには、示された情報のほかに、どのような情報が必要ですか。以下の(1)および(2)に整理して説明してください。
(1)Aさんから直接聞いて確認する情報
(2)FPであるあなた自身が調べて確認する情報
2.Aさんが店舗付で甲土地を売却する際、特に買主に告知する事項とその理由を教えてください。
3.Aさんの意向を踏まえ、X社とY社の提案内容をどのように評価しますか。
4.本事案に関与する専門職業家にはどのような方々がいますか。

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part2 ポイント解説

1. アドバイスに当たって必要な情報

(1) Aさんから直接聞いて確認する情報
甲土地・建物は相続で取得しているが、相続により財産を取得した場合、その取得日・取得費を引き継ぐことから、当時の状況の詳細が分かる資料があるかという確認が必要。
また、Aさん夫妻は2人の子に賃貸物件を遺してあげる意向であるが、2人とも結婚してマンションを所有し実家に戻る予定がないことから、子2人に賃貸物件を引き継ぐ意向があるかどうかも確認しておきたい。

(2) FP自身が調べて確認する情報
顧客が関知していない状況や、忘れている事項がある可能性もあるため、物件の登記簿と、現地の確認を行うことで、所有権・抵当権等の権利状況や土地・建物の物理的状況を、実際に確認することが必要。
また、用途地域・地方自治体の都市計画等を確認し、今後の開発予定・環境変化を把握することが必要である。
本問の場合、甲土地への店舗併用マンションの建築や甲土地の売却の際、井戸と浄化槽の埋め戻し・撤去が必要となる可能性が高く、規制や補助金・助成金の有無も確認しておきたい。

2. 店舗付で甲土地を売却する際、特に買主に告知する事項とその理由

井戸・浄化槽・地下室・構造物等の地下埋設物については、売主がその存在や、建築に支障を与える可能性を知っていながら告知していなかった場合には、売主の告知義務違反となり、不法行為責任として買主から撤去費用等の損害賠償請求される可能性がある。

本問の場合、当初の給排水設備であった井戸と浄化槽が地中に埋設されており、店舗の解体工事をせずに甲土地を売却する場合には、これらの存在の告知について特に留意することが必要となる。

3. Aさんの意向を踏まえたX社とY社の提案内容の評価

◆Aさんの意向
甲土地の価値を活用した不動産賃貸業により老後の生計を立て、将来、2人の子に賃貸物件を遺してあげること。

◆X社とY社の提案内容の評価
X社の提案では、自己資金6,000万円を要し、なおかつ返済期間中の純収益から返済額を差し引いた手残りは年118万円と、あまり魅力的ではない。さらに、将来の相続発生時には店舗併用マンションを2人の子で分割することになるため、将来的な不動産活用(大規模修繕・建て替え等)の場合には双方の合意が必要となることから、必ずしもスムーズな資産承継とならない可能性がある。

対してY社の提案では自己資金は不要であり、なおかつ返済期間中の純収益から返済額を差し引いた手残りは、両物件合わせて年488万円と老後の生活資金としては十分な水準であると思われる。さらに、将来の相続発生時には2つの物件を2人の子にそれぞれ1つずつ相続させ、その時点の評価額の差を自己資金6,000万円や自宅で調整可能である。また、独立した物件であるため、将来的な不動産活用(大規模修繕・建て替え等)も所有者1人の意向で対応可能であり、相続する側も納得しやすいスムーズな資産承継が期待できる。

4. 関与すべき専門職業家

甲土地・建物の売却における、土地・建物の所有権移転登記等については司法書士課税上の取扱いに関する具体的な税務相談については税理士、不動産売買の媒介等の宅地建物取引業法に規定する業務に該当するものについては、宅地建物取引士、測量結果に基づく適正な不動産価格・地代、賃料の算定は、不動産鑑定士、井戸や浄化槽に関する告知義務等の具体的な法律相談については弁護士が適当。

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