問12 2021年5月基礎
問12 問題文
X株式会社(以下、「X社」という)は、代表取締役社長であるAさんを被保険者とする下記の定期保険に加入した。当該生命保険の第1回保険料払込時の経理処理として、次のうち最も適切なものはどれか。
保険の種類:無配当定期保険(特約付加なし)
契約年月日:2020年10月1日
契約者(=保険料負担者):X社
被保険者 :Aさん(加入時50歳)
死亡保険金受取人:X社
保険期間・保険料払込期間:100歳満了
死亡保険金:1億円
年払保険料:300万円
最高解約返戻率:70%
1)
2)
3)
4)
問12 解答・解説
法人の生命保険の経理処理に関する問題です。
長期の保険期間の前半は災害保障を重視し、後半部分からは死亡保障を重視した設計とすることで、保険料は全額損金算入可能で、数年後の解約時に80%超の解約返戻金を受け取れる節税保険が多数販売されたことから、2019年6月28日の改正通達により、それまでの長期平準定期保険やガン保険等の損金算入規制が廃止され、定期保険と第三分野の保険における、最高解約返戻率が50%超となる保険商品について、最高解約返戻率に応じて3段階の損金算入規制が設定されました。
このうち、最高解約返戻率50%超70%以下の保険商品では、原則として、支払保険料の資産計上期間は、保険期間における開始日から100分の40経過日まで、資産計上額は、当期に支払った保険料の100分の40とし、残額を損金算入します。また、資産計上期間終了後は、支払った保険料を期間の経過に応じて損金算入します。
さらに、資産計上した金額は、保険期間の100分の75経過後から保険期間の終了の日までに均等に取り崩し、期間の経過に応じて損金算入します。
つまり、保険期間の前半部分では保険料の6割を損金算入できますが、保険期間の4分の3が経過するまでは資産計上した4割部分を損金算入できないため、契約して数年程度で解約しても以前ほど節税効果が見込めなくなるようにしたわけですね。
よって本問の場合、支払保険料300万円のうち、4割である120万円が前払保険料として資産計上され、残額180万円が定期保険料として損金算入されます。
よって正解は、1
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