問42 2021年5月基礎
問42 問題文
Aさん(28歳)は、事業資金として、2020年7月に父(58歳)から現金350万円の贈与を受け、同年9月に兄(33歳)から現金150万円の贈与を受けた。Aさんの2020年分の贈与税額として、次のうち最も適切なものはどれか。なお、いずれも贈与税の課税対象となり、暦年課税を選択するものとする。また、Aさんは2020年中にほかに贈与は受けていないものとする。
〈贈与税の速算表(一部抜粋)〉
1) 42万6,500円
2) 46万5,000円
3) 48万5,000円
4) 49万8,500円
問42 解答・解説
暦年課税の贈与税・相続時精算課税に関する問題です。
暦年課税の贈与税の基礎控除は110万円ですが、1年間に複数の人から贈与を受けた場合、贈与税は贈与された財産の合計額から基礎控除110万円を控除して計算します(基礎控除は贈与者の人数にかかわらず110万円)。
また、20歳以上の子・孫が直系尊属から受けた贈与財産は特例贈与財産として、税率と控除が優遇されます(それ以外の贈与財産は一般贈与財産として従来通りの課税)。
一般贈与財産と特例贈与財産の両方で贈与を受けた場合、一般と特例の合計から基礎控除110万円を控除した額にそれぞれの速算表による税率と控除を適用し、さらに贈与の合計額における特例・一般の割合を乗じてそれぞれの税額を算出します。最後にそれらを合計して贈与税を計算します。
具体的には以下の通り。
1)課税価格=一般+特例−基礎控除110万円
2)一般部分:(課税価格×税率−控除)×一般/合計贈与額
特例部分:(課税価格×税率−控除)×特例/合計贈与額
3)贈与税額=一般部分+特例部分
従って本問の場合、父親からの贈与は特例となり、兄からの贈与は一般となります。
課税価格:一般150万円+特例350万円−110万円=390万円
一般部分:(390万円×20%−25万円)×150万円/500万円=15.9万円
特例部分:(390万円×15%−10万円)×350万円/500万円=33.95万円
贈与税額:15.9万円+33.95万円=49.85万円
よって正解は、4
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