問46 2021年5月基礎
問46 問題文
相続税法における死亡保険金の非課税金額の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、各選択肢における死亡保険金は、いずれも契約者(=保険料負担者)および被保険者を被相続人とする生命保険契約に基づくものとし、記載のない事項については考慮しないものとする。
1) 被相続人が死亡保険金の一部をリビング・ニーズ特約によって生前に受け取っていた場合に、その受け取った金額のうち、相続財産として相続税の課税対象となった金額については、死亡保険金の非課税金額の規定が適用される。
2) 死亡保険金受取人となっている相続人が、遺産分割協議の結果、死亡保険金以外の財産をいっさい取得しなかった場合、その者が受け取った死亡保険金については、死亡保険金の非課税金額の規定が適用されない。
3) 死亡保険金受取人となっている相続人が、死亡保険金とともに受け取った積立配当金や払戻しによる前納保険料については、死亡保険金とともに死亡保険金の非課税金額の規定が適用される。
4) 死亡保険金受取人となっている相続人が、受け取った死亡保険金について死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けるためには、適用後の相続税の課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額以下であっても、相続税の申告書を提出しなければならない。
問46 解答・解説
相続税の課税財産に関する問題です。
1) は、不適切。リビング・ニーズ特約とは、余命6ヶ月以内と診断された場合に死亡保険金を生きている間に受け取れる特約です。
受け取った保険金は非課税所得となりますが、保険金を使い切らずに死亡してしまった場合、未使用分は相続税の課税対象となり、死亡保険金の非課税枠の対象外となります。
2) は、不適切。相続放棄すると相続人とみなされないため、死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)も適用されませんが、正式に相続放棄の手続きを取らず、事実上相続で財産を取得しなかった場合は、相続放棄に該当しないため、死亡保険金の非課税枠が適用されます。
3) は、適切。契約者と被保険者が同一の場合、死亡保険金は税制上「みなし相続財産」として相続税の課税対象になりますが、みなし相続財産とされる保険金には、保険の剰余金・割戻金等を含むため、積立配当金や払戻しの前納保険料も相続税の課税対象となり、死亡保険金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)も適用されます。
なお、払戻しの前納保険料とは、将来の保険料の全部・一部を一括して振り込んだ(前納)ものの、死亡・解約等により不要となったために払い戻されたお金(割戻金)のことです。
4) は、不適切。被相続人の死亡により相続人が取得した死亡保険金のうち、「500万円×法定相続人の数」までは非課税となりますが、非課税枠適用後の相続税の課税価格の合計が基礎控除の非課枠内であれば、申告不要です。
よって正解は、3
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