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2021年6月12日実技part2

2021年6月12日実技part2

part2 問題文

●設 例●
Aさん(59歳)は、大都市圏X市に所有する乙マンション(分譲)において、妻と長女との3人で暮らしている。母親Bさん(83歳)は、Aさんの故郷である地方都市Y市の実家(甲土地・甲建物)で1人暮らしをしている。先祖代々の甲土地と築50年の甲建物は、Bさんが5年前の夫(Aさんの父親)の相続により取得したものである。
Bさんの意思能力はしっかりしており、健康そのものであるが、最近、Bさんから「友人の多くが亡くなり、寂しい。愛着はあるけど、1人で大きな家で生活するのは不安を感じる」との相談を受けるようになった。Aさんは、同じくX市内に暮らす弟Cさん(57歳)と交代で、片道3時間をかけて、時々Bさんの様子を見にいっているが、このまま1人暮らしをさせることが心配になってきた。
そこで、AさんがBさんに「甲土地と甲建物を売却し、自分の暮らす乙マンションの同一フロアでたまたま売り出されている物件があるので、これを購入して転居してはどうか」と提案したところ、「心配かけてすまないねえ。Cさえよければ、お願いしようかな」との返事であった。Cさんも「兄貴と同じマンションなら安心だし、賛成だよ」と同意してくれたため、Aさんは実家の売却や買換えのタイミングについて検討している。なお、Bさんの相続に係る推定相続人は、AさんとCさんの2人である。

【Bさんの資産および収入の状況】
・甲土地:地積700u(約212坪)、相続税評価額3,600万円
・甲建物:木造2階建て、延べ面積165u(約50坪)、築50年、固定資産税評価額は微少
・預貯金:4,000万円、公的年金の収入:月額18万円

【地元Y市の信頼できる不動産業者の話】
・周辺は住宅地として人気があり、甲土地は建売住宅用素地として4,500万円以上で現状有姿にて売却できる。
・売却にあたり、築50年の甲建物は評価されない。

【Aさんが暮らす乙マンションの全体の状況】
・RC造12階建て、築10年、総戸数150戸、最寄駅から徒歩5分
・現在売出し中の物件:1LDK(専有面積60u)、現況空室
 販売価格4,500万円(相続税評価額1,900万円:土地1,000万円、建物900万円)
・部屋のタイプは1LDK/2LDK/3LDKがある。自己居住が大半であるが、賃貸されている物件もあり、中古物件の引き合いが多い。

(FPへの質問事項)
1.Aさんに対して、最適なアドバイスをするためには、示された情報のほかに、どのような情報が必要ですか。以下の(1)および(2)に整理して説明してください。
 (1)Aさんから直接聞いて確認する情報
 (2)FPであるあなた自身が調べて確認する情報
2.実家を売却し、乙マンションの現在売出し中の物件を購入する場合、買換えのタイミングや2つの売買契約の条件、資金面について、Aさんにどのようなアドバイスをしますか。
3.母親Bさんの相続のことを考えると、今回の買換えをした場合としなかった場合とでどのような違いがありますか。相続税と不動産を譲渡した場合の所得税の観点から教えてください。
4.本事案に関与する専門職業家にはどのような方々がいますか。

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part2 ポイント解説

1. アドバイスに当たって必要な情報

(1) Aさんから直接聞いて確認する情報
甲土地は相続で取得しているが、相続により財産を取得した場合、その取得日・取得費を引き継ぐことから、当時の状況の詳細が分かる資料があるかという確認が必要。
また、実家の買換えに関し、転居先を先に確保するためにマンションの購入代金をどのように用意するか、現時点の考えを確認しておきたい。

(2) FP自身が調べて確認する情報
顧客が関知していない状況や、忘れている事項がある可能性もあるため、物件の登記簿と、現地の確認を行うことで、所有権・抵当権等の権利状況や土地・建物の物理的状況を、実際に確認することが必要。
また、用途地域・地方自治体の都市計画等を確認し、今後の開発予定・環境変化を把握することが必要である。
本問の場合、母親Bさんは住み慣れた地域からの転居であり、高齢でもあることから、転居後に問題なく生活を送ることができるか、近隣の施設や住人について不動産会社を通じた情報収集も必要である。

2. Aさんの実家の買換えのタイミング・売買契約・資金面に関するアドバイス

実家の買換えの際、転居先の住宅を先に確保しておかないと、現在の自宅売却確定後に転居先の購入計画がうまくいかず、居住先を失うリスクがある。このため、自宅売却前に転居先の住宅の売買契約を確定することが必要である。
ただし、本問の場合母親Bさんの預貯金は4,000万円であり、転居先のマンションの購入代金4,500万円や諸費用に不足している。このため、不足分については一時的に子から借り入れ、自宅の売却代金で返済することも検討に値すると思われる。
なお、2つの売買契約の進み方によっては、マンションの手付金を預貯金で支払い、その後自宅の売却代金もマンションの購入代金を支払うことで、子からの借り入れは不要となることも考えられる。

3. 母親の相続を考慮した上での買換え有無による違い(相続税と不動産譲渡時の所得税)

●相続税の観点
一戸建てとマンションを比較した場合、マンションの場合は土地を実質的に所有者全員で共有することになるため、一戸当たりの土地の評価額が低くなる傾向がある。
本問の場合も、時価評価では実家もマンションも4,500万円だが、相続税評価額では実家は甲土地3,600万円であるのに対し、マンションは1,900万円であることから、買い換えた場合には相続税の負担は軽減することになる。

●不動産譲渡時の所得税の観点
母親Bさんが自宅の土地・建物を譲渡した場合、居住用財産の譲渡所得の特例(居住用財産の3,000万円の特別控除・軽減税率の特例・買換え特例)により、税負担を抑えながら売却が可能。
ただし、居住用財産の3,000万円の特別控除と軽減税率の特例は併用可能だが、買換え特例は他の2つの特例との併用はできない

4. 関与すべき専門職業家

甲土地・建物の売却における、土地・建物の所有権移転登記等については司法書士課税上の取扱いに関する具体的な税務相談については税理士、不動産売買の媒介等の宅地建物取引業法に規定する業務に該当するものについては、宅地建物取引士が適当。
なお、甲建物を取り壊してから譲渡する場合の建物の滅失登記・表題登記については土地家屋調査士が適当。

◆この試験問題の公開体験談

【note】ガパオライスちゃん 2回目のPART2(2021年6月12日の問題)

【note】ゆるふわ 2021年6月12日 FP1級実技試験partII

【note】ハル 6/12 FP1級実技試験part2

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