問3 2021年9月実技(資産設計)
問3 問題文
智弘さんは、将来の財産形成のため、資産運用の勉強を始めることにした。下記<資料>に関する次の(ア)〜(エ)の記述について、正しいものには○、誤っているものには×を解答欄に記入しなさい。
<資料>
(出所)「日本経済新聞」2021年3月5日(金)朝刊
(ア)この日の国内債券市場では、長期金利の指標となる新発10年物国債の価格が上昇した。
(イ)この日の日経平均株価(225種)の前日比下落率は、東証株価指数(TOPIX)の前日比下落率の2倍より大きくなった。
(ウ)この日の日経平均株価(225種)の将来1ヵ月の予想変動率は、前日比で下落した。
(エ)この日の日経平均株価(225種)の動きを日足のローソク足でチャートにする場合、ローソク足は陰線になる。
問3 解答・解説
新聞経済面のマーケット情報に関する問題です。
(ア)は、×。新発10年国債利回りは、新規発行された償還期間10年の国債の利回りを示しており、10年物国債は長期金利の指標となっています。
長期金利は、取引期間1年以上の資金を貸し借りする際の金利で、住宅ローンや事業融資の金利の目安になっています。
本問の場合、資料左下の【金利】に新発10年国債利回りが「0.130%(+0.015)」と記載されており、前日の終値よりも0.015ポイント上昇した0.130%であることを示しています。一般に、固定利付債(固定金利の債券)の価格は、市場金利が上昇すると下落し、市場金利が低下すると上昇しますから、本問のように利回りが前日よりも上昇しているときは、価格は下落していることになります。
なお、短期金利とは、取引期間1年未満(数日から数ヶ月程度)の資金を貸し借りする際の金利で、代表的な指標として、無担保コール翌日物レート(無担保で翌日に返済する条件での金利。主に銀行間で使用)があります。
(イ)は、○。日経平均やTOPIXといった株式指標の前日比の割合は、騰落率として記載されます。本問の場合、日経平均の騰落率は−2.127%で、TOPIXの騰落率は−1.039%ですから、
前日比下落率=−2.127%÷−1.039%=2.047…倍 であり、日経平均の前日比下落率は、TOPIXの2倍超(東証全体よりも代表的な大企業株式銘柄の下落が激しかった)であることが分かります。
(ウ)は、×。日経平均ボラティリティー・インデックスは、投資家が想定する日経平均株価の将来変動を表した指数で、日経平均株価の1ヶ月先の変動率を示しています。
本問の場合、資料左上の「日経平均VI」(Volatility Index)が該当し、「25.91(+2.68)」と記載されているため、前日比で上昇したことが分かります。
(エ)は、○。テクニカル分析の1つである、過去の株価等を表にして分析する株価チャート分析では、一般に株価の始値、高値、安値、終値を「ローソク足」として図示し、始値(その日最初に売買成立した価格)よりも終値(その日最後に売買成立した価格)の方が高ければ陽線(白い棒)、逆に始値よりも終値の方が安い場合は陰線(黒い棒)となります。
また、高値・安値は陽線や陰線より細い棒で表され、高値(その日の最高値)は陽線・陰線の上に伸び、安値(その日の最安値)は陽線・陰線の下に伸びて表されます。
本問の場合、資料上部の日経平均株価(225種)28,930円11銭がこの日の終値を表し、始値が29,198円42銭であることが分かります。
従って始値よりも終値の方が安いため、ローソク足は陰線(黒い棒)になります。
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